受験×勉強×塾

初めまして!学習塾の中で教育に携わる「現役塾講師」の一人として、受験関係の話を中心に、塾の先生としてのあり方や良い塾の選び方、また勉強の方法などを日々考えています。自分にとっての戒めにもして日々精進…!記事タイトルの「」は塾業界等、『』は塾のリアルについて書いています。

「半沢直樹の恩返し」×「チャンスをピンチに」×「楽しさと信頼と塾」

コロナの影響で撮影が予定通り進まず、

苦肉の策として生放送で行われた「半沢直樹の恩返し」

 

内容についての言及は一旦置いておいて、

ピンチをチャンスに変える、本当にすごい一手だと思う。

普通だったら再放送とか総集編とかそういう形で1週間をやり過ごすが、

テレビの前で待っている多くのファンや視聴者のことを考えて、

もちろん営業的な側面も踏まえて、

生放送で制作秘話や気になる質問など裏側に少し迫る時間。

 

 

見習うところがたくさんあるなと思った。

「塾」に置き換えて考えてみた時に、

コロナで対面授業が出来なくなった時にどんな対応をしてきたのか?

ZoomやGoogle Meet?映像授業??

どれも本当に生徒や保護者のことを心から考えてのことだったのか?

どうしてもコストの削減だったり、授業料の確保だったり、

営業面ばかりを全面に出しすぎていたのではないか。

ピンチをチャンスには変えられず、ただピンチをやり過ごしてきただけじゃないか。

 

例えばZoom。

チャンスに変えるのだとしたら、

普段よりも「手元」を見ることを意識して授業をしたり、

クラス分けをいつもと変えた超少人数制で普段以上に一人ひとりに気を配ったり、

Zoomの部屋をクラスではなく先生ごとに作り、好きな先生を選べるようにしたり、

生徒目線でもっと考えられたはず。

保護者目線を入れるなら、

「今の受験勉強」がどれだけ大変で子どもがどれだけ頑張っているのか、

ちゃんとわかるような形で見せられたら良かったのだと思う。

…ただ塾の先生は学校の先生と違って授業参観に慣れていない人が多い。

口調も荒かったり横暴だったり。

一種の洗脳のような形でやっているから成り立つ部分もある。

だから見せられない部分はたくさんあると思う。

 

 

だけどまぁ

「ピンチをチャンスとして利用した」この番組のように

僕にもやれることはたくさんある気がする。

こうやって逆境を利用出来るようになってこそ一人前なのだなと思う。

 

 

そしてそのためのヒントも番組内で教えてくれた。

それは。

 

「自分自身が楽しむこと」

 

だと思う。

主演の堺さん、終始楽しそうで仕方なかった。

周りの人と絡んでいく時にもすごく嬉しそうな笑顔で。

見ていてとても穏やかな気持ちにしてくれる。

そして別の役をやるとしたら?の質問には、

全員が他の人の役をすぐに言う。

周りの4人を含めた雰囲気もすごく良くて、

お互いのことを認め合っていて尊敬しているのも伝わってくる。

そういう関係性の中で、一人ひとりがより良いドラマになるようアドリブもする。

結果、雰囲気はより良くなり、

現場でのパフォーマンスも上がる。

これだけ全員が「本気で」取り組んでいるのだから楽しくて当たり前。

その最前線にいるのが当事者の堺さん、なのだと思う。

 

 

塾に話を戻しても全く一緒。

「先生自身」が楽しいと思うことが第一で、

そういう先生が授業をすれば、「楽しさ」は伝染していくものだと思う。

もちろん「本気で」よくしようと取り組んで、

周りとの協力がなければ、それは独りよがりであって意味はない。

年齢とか経験とかじゃなくて、

お互いに高め合って、認め合えるようになることが良い塾への一歩だと思う。

大手でも個人塾でもそれは変わらない。

出世とか利益のためだけ考えても、いつか見放される。

 

そう思った「半沢直樹の恩返し」でした。

明日も頑張ろう。

ありがとうございました。

 

「模試の判定と使い方」×「過去問の点数と使い方」×「偏差値と受験生の自覚」

夏期講習も終わり、後期の授業に入って早1週間。

正直「夏期講習」の延長感が否めない部分もある。

 

だけど、いやだからこそ受験生として本当に難しいのはここから。

これから過去問に携わっていく中で、

「思っているより解けない」事象が発生するのが要因の一つ。

やったはずの問題なのにと、どんどん不安になる。

単純に覚えが足りていなかったり、

基礎がしっかり身についてなかったりという物理的な部分が原因かもしれないし、

問題文からきちんとヒントを読み取れていなかったり、

基礎をもとにしてどう使うか実践演習が足りないという精神的な部分が原因かもしれない。

 

過去問をやる上で大切なのは、

自分にとって「足りないもの」を見つけることであり、

9月のこの時点で合格点を取ることでは全くない。

だから過去問を解いたのなら、きちんと分析をすべき。

 

物理的な部分が問題なら、

志望校との距離が測れて良かったと安心する。

そして近づくために改めて基礎の徹底をして、一歩一歩進んでいけば良い。

精神的な部分が問題なら、

自分の力が足りていて良かったと安心する。

そして自分の知識や力の使い方を学ぶために、たくさんの問題を解けば良い。

 

先生側も点数だけでなく。

分析を手伝い、必要な声かけをしていくことが責務。

特に小学生の場合。中学生は微妙なとこだが、高校生は自分でやれる。

段階や性格に合わせてうまく話をしていくことが大事。

 

 

少なくとも、

「過去問」は最高の問題集になり得るのは間違いない。

使い方を間違えないように出来るかどうかで可能性はいくらでも変わる。

きちんとメンタル面も含めサポートをする必要がある。

だからこそ難しい。

 

 

もう一つ要因としてあるのが「模試の成績」だ。

9月以降、模試の数はぐーんと増える。

偏差値が出て、合格可能性や志望校判定が出る。

良かったら喜んで終わりでいいのだが、

悪かった場合に結果を見てどうしても不安な気持ちが出てくる。

 

特に夏休み直後の模試は、

誰しも頑張ったのだから偏差値が上がっているものだと信じ込む。

ただ、そこで成績が伸びる人は多くないのが現実。

当然、へこむし焦る。

 

『2月の勝者』の中では、

「模試の結果が出るのは10月」と予め伝えておくことで、

保護者の不安感に対しての布石を打っておくことで先延ばしにし、

一時的な「熱」を冷ますのが良いといった内容が書かれていた。

確かに。と思うところが多い。

 

ただ、そもそもの話として、みんなが同じくらいに頑張ったとしたら、

偏差値というものは上がらない。

だから偏差値が上がるには、

他の人より頑張った場合か、よっぽど運が良かった場合しかない。

下がっていなければ、努力はしっかり出来ていることになる。

もう一つ。

模試の成績で偏差値を出し、そこから志望校判定を出すけど、

その志望校判定と実際の入試結果は必ずしも一致しない。

だって問題が違うから。

出し方だって違う。

指標にはなるけどただそれだけ。

模試の判定がそのまま入試結果になるのなら、

誰も1月、あるいは2月まで勉強なんてしない。

この意味がきちんと伝わっていれば、毎回の模試で焦ることはないと思う。

 

結局のところ、

模試に関しても「受け方」と「直し方」が大事だということ。

かといって例えばE判定とか10%以下と言われて、

こんな理論を受け入れろと言われても不安は生まれて当然。

だからこそ難しい。

 

 

どちらも「自分は頑張ってきたはず」という自負があるからこそ生まれるものであって、

別に悪いものではない。

むしろそう思えないのなら、

夏期講習含め今までの勉強はなんだったのか?となる。

必要なのは、

まだ「道」の途中だという自覚。

そしてこれから何を成すかということ。

悔しがって、泣いて、心が折れてそれからどうするか。

 

勝者となるために出来ることは何か。

僕は「立ち上がる」ことだと思う。

何度でも。何度でも。

諦めたその時が敗者になる瞬間だと思う。

 

 

僕も頑張ろう。

ありがとうございました。

「学校の先生と塾の先生」×「授業で大事なこと」×「信頼感の大切さ」

今日は保護者の方から嬉しいメールを頂いた。

 

内容的には、私立中3の国語の質問対応をしていて、

今日はたまたま古文の「品詞」の単元の説明をしていた。

学校では現代文でも説明は受けているし、何度もやっているところだ。

ただ、今まで学校で何度聞いても何もわからなかった部分が、

質問した中で初めて理解ができ、めちゃめちゃ嬉しそうに帰宅し、

分かった部分を自ら解説し始めたらしい。

その様子を見ていて、

「勉強に関して、こんなに楽しそうにするなんて珍しい」

ととても喜んでくださり、学校の先生が自分だったら良いのになぁと仰ってくださった。

 

 

これって塾でやっている身としては、とても幸せなこと。

やっぱり学校の先生よりも教え方が下手なのは、

塾の先生としてはダメだと思っているから。

 

というのも、学校の先生は授業だけでなく他のことにも気を配らないといけないし、

対象とする生徒も少人数ではなく大人数。

教え方にも学習指導要領や学校の方針、保護者の存在など制約が多い。

やる気のある生徒ばかりでもないし。

 

一方で塾はわざわざ「お金」を払って「自分から」来ている生徒だけを対象に、

特に大きな制約もなく「学力」や「成績」を上げることに特化して、

基本的には「授業」で引っ張っていかないといけない。

だからこそ自分の方がわかりやすいとか、

そういうやる気を引き出す方法とかは、

塾の先生の方が長けていないといけないと思っている。

 

 

僕自身は教育学部の大学院を出ていて「教え方」の研究をひたすらしていた。

学校の先生の免許も小・中・高と持っているし、

公立校での実習やボランティア経験もあるし、勤務経験もある。

だから学校の先生の大変さもある程度はわかっている。

 

 

両方を経験しているからこそ思うのは、

お互いの良いところを認め合って、吸収し合えば良いのになということ。

実際問題、

単純に「分かりやすい解説」を出来る塾の先生はいくらでもいるけど、

それだけで生徒はついてこない。

やっぱりお互いに「人間」だからこそ、個性を大事にすべき。

学校の先生がやっているように「一人ひとりをきちんと見る」ことの意識。

学力や成績はもちろん、取り組み方だったり表情だったり。

「勉強のやり方だけ」を教えることがいいわけではないと個人的には思っている。

そういう細かいところまで気付けるかどうかで、

「塾」としてのレベルは上がっていくと思う。

 

こんな小さなきっかけでも子どものやる気は大きく左右される。

一度でも「楽しい」と思えるようになれば、

勉強は自然と自分からやるようになり、

質問もするようになり、成績も上がっていく。

逆に言えば、

学校の先生は考えさせることに重点を置くだけでなく、

もっと分かりやすい授業で、「出来た」感を作るための解説メインの授業も混ぜ、

意欲をうまく操っていくような授業をたまに入れても良いのかなと思う。

もっと学校の先生ってすごい!という信頼感を得ようと、

良い意味で競争しようとするべきだと思う。

 

いずれにせよ、どちらもあぐらをかいていてはいけない。

本気でぶつかっているかどうかは子供には伝わるから。

後は保護者との関係を良くしておくと、

自分のモチベーションも上がるし、安心感にもつながる。

一番大事なのは、

 

「この先生なら大丈夫」

「この先生のいうことを信じよう」

 

と思ってもらえることだと改めて実感した。

生徒からは笑いながら「理不尽だ」と言われることが多い僕だけど、

信頼感を持ってもらえているのは嬉しい。

 

その信頼に応えられるよう、もっと頑張らないといけないし、

色々学んでいこうと思う。

明日も頑張ろう。

ありがとうございました。

「塾の閉校といなくなる先生」×「フェイク学力」×「本当の学力の育て方」

9月に入り、少し変化が出る季節。

 

塾の閉校を調べてみると、

以前より話してきた川崎予備校だけでなくDr.関塾を初め、

幾つもの塾・校舎が閉校に至っているようです。

この時期にやめられてどうすればいいんだろう?

受験生を中心に子ども側が困るのは目に見えている。

今まで信じて通わせてきたのに、大事な時期に塾がもしなくなったら…

受からなかった場合は納得がいくわけもないし、

何ならその後の人生を左右しかねない。

言い過ぎかもしれないけども。

個人的には2〜3月まで何とかやり切るのが筋だと思う。

 

それに加えて、

コロナでの失業者が今後も増えていく中で、

「塾講師」もたくさん失業することが予想される。

その時に切られるのは傾向的に「生徒のことをよく考えている先生」

これは大手であれば大手であるほど。

なぜなら会社の方針よりも生徒を優先しがちな先生は、

閉校が続き、何としても利益改善を考える時には優先されないからだ。

悲しいけどこれは現実だと思う。

生徒思いでやっている先生がどんどんいなくなってしまう可能性がある。

 

自分の知り合いにも、コロナ禍での生徒への対応や会社の方針から、

塾をやめてしまう先生がいる。

そうやって毎年のように先生が代わってしまう塾ってそもそも信頼できないと思う。

そういう塾は大体「校長」や一部のイエスマンの社員だけ据え置きで、

良い先生や自分なりの思いを持っている先生が来ても、

すぐに異動でいなくなってしまう。

頻繁に先生が入れ替わっている様子があれば、少し警戒した方が良い。

企業だから仕方ないけど、

何ていうか。

本当に大切にすべき物を見失わない方が先はあるのではないかと思う。

 

 

それと今日もYahooニュースで見た記事で、

「フェイク学力」というものが取り上げられていた。

これはとても興味深いニュースだと思う。

簡単にいうと、

「解法の丸暗記によって得られた学力」のことである。

5年生くらいまでは対応できるけど、

6年生で問題が難しくなり、量が多くなってくる中で、

だんだんとメッキが剥がれていく。

本当にこういう子どもは多いように思う。

 

最初は成績が取れるから本人も保護者も間違いに気づかない。

何とかして成績を維持しようとさらに丸暗記をしようと頑張るが、

当然限界を迎え、思った以上に伸びない自分の子を見て、

保護者が焦り、子どもにぶつかる。

「何でできないの?」

「5年生までは成績が良かったのにどうしたの?何で?」

そして陥る悪循環。

目先の点数に拘った結果、失うものはとても大きい。

 

実にもったいない。

子どもにとって受験はゴールではない。

受かっても受からなくても、受験後も生活も勉強も続く。

もちろん目先の点数をあげたいと思う気持ちも、

実際に点数を上げることも大事。否定は当然できない。

 

だけど、

成績が上がらない時ほど、勉強の仕方を変えて、

「よく考え」「先生を利用」してほしい。

遠回りに見えるかもしれないけど、その方が成績は上がる。

 

結局のところ、自分の持っている武器や能力の使い方がきちんとわかれば、

いくらでも応用は効くのだ。

 

「常に考える」ことで1しかない知識が3にも4にもなる。

「フェイク学力」では1しかない知識は1のまま、あるいはそれよりも下だ。

そして「常に考える」方法で勉強を続けた子どもは、

中学や高校、大学に行ってもずっと成長が続く。

出来ればそこに楽しさを加えられれば一番だと思う。

 

先生の必要性はそこにある。

「わかりやすく」「丁寧に」は当然だけど、

目先の結果だけでなく、

「その子のための」きちんとした学力をつけさせられるような塾が増えてほしい。

 

僕も頑張ろう。

ありがとうございました。

「模試と判定」×「過去問の意味」×「意志ときっかけ」

いよいよ夏期講習も終わったので、

本格的な受験シーズンを迎える季節。

 

NNオープン模試が本日(30日)もあったように、

9月以降は模試の数も多くなってくる。

どの模試をどういう目的で受けていくか、

間違えないようにしないと思ったような成長にならないことが多い。

 

例えば

「首都模試」で求められる力と

「合否合判定テスト」や「日能研模試」で求められる力は全く違う。

難易度も配点も形式も違うし、受ける層も全く違う。

平均点も違うし、偏差値の持つ意味も全く違う。

これは、高校受験の「Vもぎ・Wもぎ」と「駿台テスト」の違いでも同じことが言えるし、

大学受験の「マークor 記述模試」×「ベネッセ」「河合」「駿台」「東進」でも一緒。

本当に模試の種類は豊富だと思うし、

こうやって選択できる余地が多いのはとても良いことだと思う。

 

 

だから受験生側がすべきことは

「志望校に合わせて受ける模試」をちゃんと変えること。

自分のレベルにあっていない模試を受けていくと、

「自分は出来ないんだ」と思って、本当に成績が下がっていく。

逆に、模試の種類を変えたら偶々良い点数が取れて、

それが「きっかけ」になって、成績が急上昇することもある。

 

そんなものだと思う。

ただ今年は「受験会場に実際に行っての受験」がコロナ禍の影響で難しい。

いくつものテストが塾での受験or自宅受験となっている。

これは実はとても痛い。

特にプレッシャーを感じるタイプの生徒は、

入試当日に実力通りの成績が残せない結果になってしまうこともあり得る。

それでも模試は受けるべきだと思う。

目標までのなんとなくの立ち位置と距離を測ることが出来る部分と、

先ほど述べたようなきっかけや刺激になり得るからだ。

 

 

ただ忘れないほうがいいことがもう一つ。

 

それが、

模試は所詮「模試」だということ。

それ以上でもそれ以下でもない。

 

模試で偏差値70を取ったら合格出来るなら話は別だけど、

(高校入試の一部でこの制度まだ残っていますね。)

別に模試の結果が悪いことは、実際の入試に対しては何の意味もない。

だから成績に拘ることは大事だけど、悪くても気に病まなくていい。

悪ければ出来なかった所を直せばいいだけ。

次に出来れば問題ない。

ただの「模試」であり練習みたいなものだから、

本番じゃなくて良かったと開き直れば良い。

「判定」も今はそんなものかと思っておしまいで十分。

 

大体「自分の行きたい学校」と問題の出し方は違うのだから、

出来なくとも意味はそこまでない。

「模試」で出来なくても入試合格や逆転はいくらでも出来る。

割り切って考えてしまえばいいと思う。

そして意識を高めるために上手く「模試」を利用できればと思う。

 

 

同じようなことが過去問にも言える。

中学受験に絞った話をしていくと、

過去問に本格的に取り組むのは早くて8月下旬、遅くて10月上旬くらいかなと思う。

古い順からやるか新しい順からやるか、から始まって

第何志望からやるか、何年分やるか、直しの仕方、科目の優先度、、、

と数えたらきりがないくらい塾や校舎、先生によって違う。

結局のところ、どれが正しいというのはない。

ただ模試以上に意識しないといけないのは、

 

 ①合格最低点との開き

  →自分の立ち位置/目標設定

 ②直しの仕方

  →次に出来るようにするために?/どこまで出来るように?

 ③傾向を掴む

  →学校ごとの特色をつかみ、点数の取り方を考える/出やすい分野の確認/時間配分

 ④量をこなす

  →過去問は「最高の総合問題集」とも言えるので、復習のきっかけにもなる。

 

本当に行きたいのなら、

③の部分はとても大事。

相性が合うかどうかで偏差値の差はいくらでもひっくり返せる。

 

もし合わなかったら?と聞かれたら、

僕は即答で「合わせればいい」と答える。

塾の先生にはこの自信を持った「即答」が必要だと思う。

その場で本当かどうか分かっていなくても、

「現実」にしてしまえばいい。

 

何はともあれ、「模試」も「過去問」も利用して、

受験本番で力を出し切れるよう練習をしっかりさせていくべき季節。

さらなる飛躍のために明日からまた頑張ろう。

ありがとうございました。

「夏期講習」総括×「各学年の段階と課題」×「偏差値15上げるために」

今日は夏の総括。

無事にコロナ禍での夏期講習が終わりました。

各塾とも例年と違い時間を短くしたり、

暑い中窓を開けながらの授業をしたり、

様々な工夫をしながら、いわゆる「厳戒態勢」で行われました。

コロナの影響で今までの積み上げもなく、

午前中には学校もあり、子どもたちにとって本当に大変だったと思います。

塾講師のクラスターが1度Yahooニュースに載った以外は、

(どこの塾でのクラスターか発表あったっけ…?)

大きなコロナニュースもなく夏期講習期間が終わって良かったです。

 

これからが正念場になるわけだけど、

まずは夏休みを頑張り切った子どもたち全員を労いたいし褒めたいです。

この期間にちゃんとやれていたかどうかは、

今後の結果に現れてくるので、

各塾のラストのテストか首都模試等、あるいは過去問などたくさん挑戦させたい。

 

 

さて。

2・3年生。

とても楽しそうでがんばっていた。

ただ「やるとき」はしっかりやるということだけはちゃんと伝えた。

保護者の話だと、

「先生に怒られたし、嫌われちゃったかも…」と家で話す場面もあったそうで、

ちゃんと話を聞かないといけないという姿勢の一歩手前まできてるのがわかった。

こういうサインを保護者とやり取りできるのは心強い。

9月以降も少しずつ学習に向けた姿勢づくりが出来ると良い。

 

 

4年生。

国語の読み方が少し上手くなった。

「多読」と「精読」のバランスを取るのが難しい。

僕自身は4年生段階だと

説明文・論説文は「指示語」「接続語」への意識、

物語文・随筆文は「人物」「場面」「気持ち」への意識、

ということで印をつけるようにさせている。

線を引く読み方もあるが、僕自身はどっちでもいいと思っている。

最初からあれもこれもは難しいので意識できるレベルを増やすのが大切かなと思う。

よって今回は「多読」でひたすら練習スタイル。

後は言葉とか漢字とかしっかりやって、少し成果が出たところ。

少し自信を持ってくれたところがとても良かった。

社会はまぁやったけど楽しそうだったなでおしまい。

細かい暗記はこれからすればいいので点数上がった分だけ褒めて、

「出来るかも?」と思わせられればこの時期はOKだと思う。

 

 

5年生

理科の授業で謎の覚醒。

首都模試でクラス平均で偏差値40後半くらいだったはずが、

夏の終わりにやった首都模試の過去問の平均偏差値は60を軽く超えてきた。

誰か一人が良くなったというよりは、全体的に上がった。

これは本当に凄いと思う。

「どんな授業をしているの?」と聞かれて、要因を色々考えてみたけど、

授業で特別なことはしていない。

強いていうなら、最低限覚えないといけない所は徹底させようとしているくらい。

色々考えているうちに、もっと大きな要因に、

子どもたちの声を聞いて気付いた。

「首都模試やるの楽しい、今日もやりたい」

「点数上がったの凄いでしょ?何番だった??」

「今日は理科ないの?」

「ここがわからなかったからプリント欲しい」

すごく楽しそうに前向きに取り組んでいる、ということである。

 

もっと上げたいからプリントを自分からもらいにくる。

点数上がってくれば競争も楽しくなる。

 

結局これが一番大事なのかなと思う。

時間は他科目より大分短くて良いよといっているけど、

質が高まればちゃんと身につくんだなと思った。

余裕も持ってやれてるみたいだし、普段は褒めないけどちゃんと褒めてあげたい。

9月からも楽しみだ。

一緒にレベルアップしていければ良いなと思う。

 

 

最後に6年生。

通常授業とは別に、メモリーチェックを1周し基礎はつけた。

ただ使い方はまだまだなので、これから実戦演習をやっていく中で、

自分の持っている武器をどう使うか上手くなって欲しい。

間違いなく一番泣かせた学年。

保護者からはありがたいことに、

ちゃんと怒ってくれてありがたいとか子どもに言葉が刺さってありがたいとか、

肯定的に捉えていただ具ことができた。

保護者と信頼関係をしっかり結んで、

怒るときは子供に嫌われる覚悟で心を鬼にして怒らないといけない。

これができない塾は多分成績を大きく伸ばすことはできないと思う。

まぁ怒らずとも勝手にやってくれるのが一番だけど笑

 

モリーチェックで少しだけ自信をつけたと思うけど、

これは秋以降もずっとやる。

そうすると過去問で点数が出ない時に心の拠り所になるからだ。

こういう下準備は絶対に必要。

すでに過去問に入っている子は成果が出始めている。

9月から過去問に入る子も一人ひとりのペースでがんばらせたい。

ここでグッと成績を上げていきたい所。

 

 

学年ごとの良かった所や簡単な総括でした。

振り返ってみると結構大事にしないといけない部分がわかる気がする。

夏に積み重ねたものを信じて、

改めて本気でがんばらせていきたい。

また、こんな大変な中でも塾に通わせてくださってる保護者の方には御礼しかないので、

結果という形で返していきたいと思う。

ありがとうございました。

「男子7人に1人は全滅」×「中学受験の実態」×「塾からの提案」

中学受験「男子7人に1人全滅」時代

 

東洋経済オンライン」の中にあった驚きの数字。

リーマンショック後中学受験者数は減少し、

いわゆる「全入状態」が続いているものばかりだと思っていたが、

実際にはどこにも受からずに受験を終える「全滅」が多く出ているということだ。

ここで挙げられている数字について少し考えてみたい。

 

まず数字は首都圏模試センターが推計したもの。

首都圏の小学6年生のうち受験した児童は4万9400人。

それに対して総定員数が4万7442人。

よって合格率は約96%であり、全入時代ではなくなっていることを意味している。

さらに男女別の合格率を見ると男子が86.3%、女子が106.5%。

前年比で見ると男女とも約4ポイント減少。

結果、女子はどこかには合格できているが、

約7人に1人の男子がどこにも合格できてないということがいえる。

 

以上が概要。

 

さて感想。

そもそもこの数値の見方が妥当なものかよくわからない。

ただまず言えることとして、

受験者数が増えている、あるいは割合は変わっていないが、

6年生の人口が増えている可能性がある。

または募集人数が減っている学校が増えている。

そのため、今までの「全入」時代から大きな変化が起きたのかなという所。

男女差が出ている部分については、

「男の子は上の方の学校に入れないなら高校受験で巻き返せば良い」

「女の子は少しランク下げてでも中学校から私立に入った方が良い」

という感じの傾向が出ているのかなと思う。

そもそも女子校の多さにも要因はあると思うけども。

 

なぜ「妥当なものかわからない」と言えるのかは、

このデータが、「定員数」との見比べを行なっているからだ。

つまりは1人で複数校受かっている場合のへの配慮の仕方と、

定員ピッタリの人数だけをとる学校はほとんどない点から、

正確なデータといえるのかに疑問が残るということだ。

各中学校とも、多めに合格を設定するし、補欠もとる。

場合によっては思っていたよりも人数が多く、1クラス多く作る場合もある。

今は開成や筑駒ですら「繰り上げ合格」が当たり前に存在している。

それだけ多彩になっているのだから、単純な数値にはしづらいと思う。

 

 

こうなってしまった原因として、

大学受験の様子を見ての「安全志向」が大きいのではないかなと思う。

御三家に無理していかないでその少し下の学校を受ける。

そうすると例年だと受かる生徒たちが受からなくなる。

いわゆる玉突き事故の発生ですね。

 

大事なのはきちんと情報を把握すること。

年度によって大きく合格のしやすさが変わる学校もあります。

分かり易い一例を挙げるなら、

「香蘭」や「浦和ルーテル」といったMARCHへの切符を持っている学校や、

広尾学園」や「三田国際」のような進学に舵を切った学校。

偏差値が驚くほど跳ね上がった。

塾の先生とよく話し合って受験の戦略を立てないといけない、ということがよくわかる。

 

例えば第一志望が「麻布」の場合。(都内と仮定)

1月:栄東・市川・東邦・渋幕あたりから1〜2校

2月1日:麻布

2月2日:聖光

2月3日:筑駒/早稲田②/浅野

2月4日:聖光②

とかこんな感じのプランを塾側としては思うことが多い。

だけどこれだと抑えがない。

もちろん浅野を抑えにするor埼玉や千葉への進学もOKの場合もある。

問題との相性にもよるので過去問次第な部分もあるけれど。

 

ただ実際には、

1日の午後に巣鴨(算数)や都市大を入れたり。

2日を本郷や攻玉社、明明にしてみたり。

4日を芝二次にしてみたり。

いろんな提案を塾側は考えるべきだし、

その生徒に合う学校なら偏差値帯が少し下の方の学校でも、提案すべき。

これがない塾は、

「目の前の子ども」よりも「実績」や「利益」を求めていると言える。

ちゃんとその生徒のためになる提案を出来るようになっていかないといけない。

大手だとその我を通すのは大分難しいことだと思うけど、

それでも「生徒目線で」一番と言える選択肢を取れるようになって欲しい。

 

とまぁ受験にはいろんなパターンがあるので、

実際に受けさせてきたパターンとか塾でよく受けさせるパターンとかは

いずれまた書いてみたい。

今年はコロナもあって、いわゆる前受けがとても読みづらい…。

僕自身も模索しなきゃ。

 

長くなってしまったので、明日も頑張ろう。

ありがとうございました。