「学習塾決算」から見る今後×コロナ禍×塾の「3つの対策」
学習塾大手7社の決算が8月11日に出揃ったらしいと言うニュース。
7社とは、ナガセ(東進)・ステップ・早稲アカ・学究社(ena)
リソー教育(TOMAS)・東京個別(TKG)・明光ネット(明光義塾)のこと。
ちなみに学習塾にとってこの時期は基本的に生徒が卒業した後のため、
売り上げが落ちやすい時期であると言える。
その中で、全社共最終損益が悪化。
ステップは赤字に転落し、そのほかの会社は赤字幅が拡大。
やはりコロナの影響が大きかったのは間違いない。
発表された売り上げ幅を見てみる。
ナガセ:77億(前年同期比−14%) ステップ:17億(前年同期比−34%)
早稲アカ:44億(前年同期比−5%) ena:77億(前年同期比−1%)
リソー教育:41億(前年同期比−21%) 東京個別:21億(前年同期比−44%)
明光ネット:29億(前年同期比−26%)
だったらしい。
全体的にひどいのはもう仕方ない。
大きな理由は授業の休講・授業料の減額、新規入塾者の減少などたくさんあると思う。
栄光の大量閉塾を受け、enaへの流れがあったのか、
学究舎はまだそこまで大きな打撃を受けていないように思う。
早稲アカは他の塾に比べ、
オンラインの対応が早かったから被害が最小限だったのかな。
一方で5月の授業料などを見送った東京個別や
コロナ対策で各ブースに飛沫防止の整備を施したTOMASなど、
個別をメインにするところはなかなか厳しい。
ただ、コロナ対策がしっかりされている事には安心感があると思うので、
これから先生徒が増えていく可能性があると思う。
スクールTOMASのような新しい事業も好調みたいだし。
あとはステップ・明光の落ち込みがひどい。
ステップについては、昨年まで十四期連続での増収できていた部分もあり、
塾が普通に開校できれば利益率の高いビジネスモデル(驚異の約20%!)ではあるが、
授業ができないことに加え、授業料の返還が大きな打撃を与えたものと言える。
生徒数は増えているので今後次第。
明光はコロナへの対策が上手くいかなかったのか、あるいは普段の積み重ねからか、
生徒数が減ってしまったのが原因かなと思う。
さて。
改めて学習塾業界は今後厳しくなっていくと見るべきだろう。
コロナが今年だけのことではないかもしれない。
毎年こんなに赤字だったら大手でも潰れていく。
人件費を削ったら優秀な先生がどんどんいなくなる。
次にそういった先生が独立して、個人塾が乱立していく可能性もある。
結果、次第に「大手」とか「準大手」の価値が薄れていくかもしれないですね。
塾側としてやらないといけないことは何だろう。
まずはコロナ対策を必要な限りする。
やりすぎてもダメだけど、必要ならTOMASのように飛沫防止シートの設置も考える。
特に個別では必須なのかもしれない。
オンラインで上手くいく仕組みが作れればそれも必要だと思う。
何よりも保護者や生徒に「安心感」を与えること。
ここを大事にする。
次に成績を上げる仕組みを改めて設定。
いつ「受験勉強」が中断されるかはわからない。
個人的には「自主的な勉強が出来るよう育てていくこと」が必要だと思う。
そうすれば先生が最小限で済むし、授業の意味も増える。
量をこなさせて気合で何とかする昭和スタイルを全面でおしてもそぐわないと思う。
必要な場合はあるけども。
先生側の力量を上げていくこと。これが必須。
判断基準はとても簡単。
子どもの表情や話を観察していればすぐわかる。
最後に「口コミ」を大切にすること。
もっと簡単に言えば目の前の生徒に全力を尽くすこと。
その積み重ねがあれば、こういった事態になってもすぐに辞めたりしない。
保護者からの信頼は1日ではできない。
だから日々を大切にする。
同時にそれが1番の広告にもなるから、広告費の削減にもなる。
誰も損しない。素敵な世の中ですね。
…と書いてみて、全部「当たり前」のことだと気付いた。
塾側の視点であると同時に、保護者や生徒に見て欲しい視点でもあるので、
塾を看板だけを信用して、すぐに「大手」にせず見て欲しいなと思います。
長くなってしまいました。
読んでいただき、ありがとうございます。
明日もまた頑張ろう。