受験×勉強×塾

初めまして!学習塾の中で教育に携わる「現役塾講師」の一人として、受験関係の話を中心に、塾の先生としてのあり方や良い塾の選び方、また勉強の方法などを日々考えています。自分にとっての戒めにもして日々精進…!記事タイトルの「」は塾業界等、『』は塾のリアルについて書いています。

「塾ナビと嘘」×「中学受験と口コミ」×「個別指導と学生講師」

塾を探そう!と思った時に、

 

ネット広告だったり、新聞広告だったり、

家の近くにある塾だったり、

程度の差はあれ、「情報収集」を誰しもがすると思う。

 

 

「大学受験」については、

大前提として決めるのは「本人」がメインである。

だから「情報収集」の仕方も変わってくるけど、

正直、河合・駿台・東進のどこかに通うのが安心感はあると思う。

 

もちろんその他にもたくさん塾はある。

スタディサプリだけでも受験は可能だし、

同じように映像授業をメインとしている塾にしたり、

武田塾のような自立型の自習塾にしたり、

Z会やナビオ、代ゼミ…と他の(準?)大手塾にしたり、

学部や学科特化の塾にしたり。

個人塾も含めいろんな選び方があるとは思うけど、

それでも情報量とか考えると、

多岐にわたる大学受験に関しては大手塾の方が安心感が強いと思う。

あとは周りの友達が行っているから自分も…という部分もある。

 

 

一方で中学受験。

塾を決める主導権を持っているのは「保護者」である。

子どもの意見や印象を聞くのはもちろんだけど、

それでも「情報収集」をするのは大抵保護者である。

実際に塾に行くこともあるだろうが、

調べるサイトの最大手に「塾ナビ」というものがある。

ここには多くの塾が登録されており、

気になる塾に対して一斉に資料請求ができるようになっている。

ちなみに資料請求した塾からは電話がかかってくることが多いので、

そこは気をつけた方がいいかもしれない。

 

ここで2つ不思議な現象が起きている。

1つ目。

最大手塾であるSAPIX日能研、早稲アカは当然毎年人数も多く、

「人気がある」塾であるはずなのに、人気ランキングでは上に来ない。

別に口コミの点数が悪いわけでもない。

それはなぜか。

 

塾ナビの人気がどのように決まっているかを考える必要がある。

HP上での説明によると、

塾ナビからの資料請求・電話問い合わせ数・口コミ点数・閲覧数などをもとに算出」

と書かれている。

つまり、SAPIX日能研、早稲アカに行く人は、

直接HPを見に行く、あるいは校舎を訪れるので、

塾ナビを通しての資料請求や電話はしないし、閲覧もしないということだ。

 

一方で最大手ではない塾は、

塾ナビで初めて知る塾、あるいは大手信仰でない人が「とりあえず」閲覧するため、

「人気がある」ように見える塾となるということ。

そして個人塾のようなところで仮に本当に良い塾があったとしても、

閲覧者数が多くはならないので上には来ない。

だからこそ、

塾ナビで「人気がある」ことが良い塾、とはいえなさそうなことが窺い知れる。

上の方に来ているのはただ「資料請求」が多いだけかもしれない。

そしてその資料は見栄え良く作られている。

本当に人気があるかどうかは全くわからない。

 

やはり自分の目で見て判断することは大切と言える。

先生の対応や塾の方針、生徒の様子や人数など、

「資料」に載っていない見るべき部分はたくさんある。

塾ナビをそのまま信用せず、一つの情報源として、

いろんな塾に体験に行くことが必要と改めて言える。

 

 

2つ目。

ランキング上位に集団塾は少なく、個別指導が多いということである。

これは個別の方がいろんな塾が乱立しているから、

閲覧する数が多くなっている部分、

同じ個別でも一つではなく、

資料を取り寄せて比べようとしていることが要因の一つだと思う。

 

後は単純に「個別」が今の時代は求められていることも要因。

集団の中で埋もれてしまうより、

自分だけにあったカリキュラムで個性を生かして進める、

というのは保護者の話を聞いていても良く聞く話である。

 

ただ大抵の個別は学生講師。

ここがとても難しい部分である。

実際問題、個別の管理者をしていた時にこの部分はよく聞かれていた。

学生講師だと心配、社員は授業をしてくれないのか?と。

「学生の方が生徒と年齢も近く、色々言いやすかったり質問もしやすいです。

 後は大学受験のことだったり、勉強はもちろん、他にも体験談など聞けます。」

塾側の答えは大体こんな感じ。

後は「学生は受験したばかりだから、自分より学力が上です。」とか。

私立中高生相手だとこれで必要な要素は満たしている。

 

言い方とかは相手に合わせて変えていたけど、

僕も同じような話をしていた。

特に学生の頭の良さだったり、頼りになる感だったりを強調し、

「勉強全体の管理とその他の時間での自習は自分の方も見ます」と言った感じで、

きちんとフォローをする旨を説明し、後は実行した。

この形は割と成功していたけど、

ただ学生講師が頑張ってくれ、関係が良好だったおかげ。

ありがたい。

 

ただし、中学受験の場合は学生講師はオススメしない。

これは大前提として

そもそも「中学受験」をちゃんと教えられる学生講師は、

ほとんどいないと思うからだ。

食塩水の問題一つでも、解き方は塾ごとに違う。

それに対応するには何年か経験が必要。

中学受験生が、個別指導に行っても伸びないのはそれが原因の一つだと思う。

結局「塾」の名前より「先生」で選ぶべきと言える。

 

 

色々書いてきたが、

結局「塾ナビ」だけでの塾選びはとても危ないことがわかる。

そもそも評価自体信用できるものかも怪しい。

あくまで塾を知るための第一歩として使うのならとても良い手段であり、

元々この使い方が正しいのではないかなと思う。

塾を選ぶ際には「ちゃんと話を聞き、体験授業に行くこと」

そして「先生がどういう人か見極めること」が大事だと思う。

 

長くなりましたが、ありがとうございました。