受験×勉強×塾

初めまして!学習塾の中で教育に携わる「現役塾講師」の一人として、受験関係の話を中心に、塾の先生としてのあり方や良い塾の選び方、また勉強の方法などを日々考えています。自分にとっての戒めにもして日々精進…!記事タイトルの「」は塾業界等、『』は塾のリアルについて書いています。

「湘南ゼミナール子会社化」×「スプリックスと森塾」×「日本一の塾と為すべきこと」

塾業界の中でまた大きなニュースが一つ。

スプリックス」が「湘南ゼミナール」の全株式を取得(45億4500万)し、

子会社化することを決めたとのこと。

スプリックスは「森塾」や教材の一つである「フォレスタ」などを作成しており、

先生側に対しての「塾講師JAPAN」もこの会社のものだ。

また、元々いろんなところと提携もしており、

塾関係だとベネッセや明光、その他だと吉本や上智大学など本当に幅広い。

 

湘南ゼミナールも2007年くらいから提携しており、

「森塾」や「河合塾マナビス」などのフランチャイズの経営も含め、

湘南ゼミナールはやっていた。

 そんな湘南ゼミナールの情報を調べてみると、

現状1都8県で266教室を展開しており、

データによると売上高は143億円、利益7090万、純資産15億3000万とあるものの、

実質赤字も重なっていたらしいという話も。

こうやって見てみると、

確かに教室数に対しての利益はあんまり高くないのかもしれない…。

そして合格実績は年々下がっていると言われている。

 

 

だから「提携」から「子会社化」への流れが生まれたのかもしれない。

もちろん得意分野を合わせることによって、相互補完を行ったり、

ICT投資を行ったり、教育の研究開発をしたりといった相乗効果は期待されているらしい。

でもそれなら、上下関係というか子会社化する必要はなかった。

そうしないといけない部分があったとすれば、

湘南ゼミナール側が割と厳しい状況になってきていたのかなということ。

 

つまりはコロナ禍において、

準大手の様な塾でも厳しくなってきているのが現状なのだ。

この辺りは自身もよく考えないといけない…。

少しそれるが、このままいくと二極化をする可能性もあると思う。

カリキュラムや安心感がすごい大手塾に通うか、

あるいは1人1人を大切にして手厚く見てくれる個人塾か。

情報量に大きな差がなくなってきたので、

自分の性格が合う方に通うのがいいのかなと思う。

 

 

さて湘南ゼミナールは、

子会社されてなお「日本一の塾」と「教育でNo.1」を掲げている。

ただ現実問題これは可能なのだろうか。

 

スプリックスが目指すのは

教育を通して世界中の人に人生の新たなステージ(春)を届ける

 

湘南ゼミナールが目指していたのは

「ひとに学び ひとを育み ひとにかえそう」という理念、

「教育百年を創造する」というミッション

「ひとの意欲をとことん高め 日本一の学習塾と成る」

 

違う会社なのだから当たり前だが、

微妙に違っている部分がある。

湘南ゼミナールは「教育そのもの」に焦点を当てていて、

スプリックスは「教育のその後」に焦点を当てているように思う。

この辺りで良い化学反応は起きるのだろうか。

 

少なくとも勤めている先生は戸惑いが多いだろう。

そしてその戸惑いは生徒に間違いなく伝わる。

仕方のないことだが、通っている生徒にも多大な変化が強いられると思う。

川崎予備校のこともあるし、本当に神奈川の受験生が本当に大変。。

明日は我が身と思う人も多いと思う。

調べてみると12月25日が子会社になる日らしいので、

せめて今年の受験生に問題がなければと祈るばかり。

 

 

何というか生徒を大切にする塾はどうしても人件費がかかってしまうのは当然。

僕個人としては、そういう塾が増えて欲しいと常日頃思っている。

だけど「塾としての経営」をきちんと考えることが必要不可欠で、

「教育や指導」だけに力を注いではいけないことを教えてくれているのかなと思う。

悲しいことだけど。

一番良いのは「生徒を大切にすること」で「経営」が偶々うまくいくことだけど、

そんなのは一握り。

生徒を大切にしないとそもそも新しい生徒は来ないけど、

経営を疎かにしても生徒を守ることはできない。

この辺りのバランスを塾にいる身としては、どの立場でも考えておくことが大事だと感じた。

 

 

会社が変わっていく中で、

時代が変わっていく中で、

変わらずにいるべきことと変わっていくべきことをきちんと見極めたい。

 

明日も頑張ろう。。

ありがとうございました。