受験×勉強×塾

初めまして!学習塾の中で教育に携わる「現役塾講師」の一人として、受験関係の話を中心に、塾の先生としてのあり方や良い塾の選び方、また勉強の方法などを日々考えています。自分にとっての戒めにもして日々精進…!記事タイトルの「」は塾業界等、『』は塾のリアルについて書いています。

「中学受験と塾選び」×「自信と感情と大きな希望」×「距離感と信頼関係」

いよいよ12月。

中学受験界でも帰国枠入試や推薦入試が始まり、

コロナ禍でもいよいよ動き出した。

紆余曲折はあったにせよ、

これからの見通しが立っているとは言い難い状況であるにせよ、

受験シーズンを無事に迎えられたことは良かった。

 

今年は本当に保護者の負担も大きいし、

子どもからしても準備不足な部分もあり、とても厳しいのは間違いない。

特に最上位層以外の努力型の生徒にとっては、

塾の度重なる変更に振り回され、

今ひとつ塾を活用しきれないままこの時期まで来ている場合もあると思う。

模試も例年より会場で受けることが出来ていないから、

より緊張をする生徒が多いはず。

 

 

こういう時だからこそ

「自分なりにやってきたし、周りも同じ状況だから大丈夫」

と自信を持って望めるかどうかがとても大きい。

ポジティブに捉えることが出来れば、

それが例年以上に「強い武器」になり得るから、逆転も起きやすいのかなと思う。

この辺りはもしかしたら「大きな希望」と言えるかもしれない。

 

ヒカルの碁で語られていたように、

「感情のコントロールは修得出来る技術」であり、

性格は関係なく自覚と訓練でどうとでもなる。

勉強量も言うまでもなく必須だが、

メンタル面の成長が出来ているかが今年は鍵になる。

先生側はいつも以上にこの部分を意識すべきなのではないかと思う。

ちなみにこのメンタル面。

先生側が最後に携わるのが「受験会場での応援」であり、

風物詩となっているものだが、

今年は学校側からお断りもされているから、より自分自身との戦いになる。

ますます「自信を持てるか」の差は大きくなる。

 

 

さて勉強量以外の、この「希望」

塾の先生にとって最重要なものが、子どもとの「信頼関係」だと思う。

 

どれだけ本気で話したとしても、

どれだけ偉い人が話したとしても、

どれだけ長い時間をかけて話したとしても、

その子どもに「響く」かどうかはわからない。

 

それよりも、

さらっとした言い方でも、ただの授業担当でも、短くとも、

自分がずっと信じてきた先生に、

「頑張ってきたのは見てきたし、その努力は裏切らないよ」と。

「だから自信を持って楽しんでおいで」と。

そうやって言われた方がずっと心に「響く」し、頑張れる。

 

そのために普段からの「距離感」が大事だと思う。

どれだけ子どものことを思っているかは、

大人ではピンとこなくとも子どもの方が感覚が鋭く、伝わるらしい。

 

上から目線で話していたり、

自分のやりたいことだけ押し付けていたり、

話を聞かなかったり、そういった全てが伝わる。

ちゃんと自分たちの目線に立っているか、

点数だけでなく、頑張った成果を褒めてくれているか、

あるいは悪いことをきちんと怒ってくれるか、

話をちゃんと聞いてくれたか、そういった全てが伝わる。

 

一つ一つ意識して「距離感」を掴むことが大事。

個人的にバロメーターになるのは、

自分に「提案してくれるか」

自分が「怒った後でもちゃんとついてくるか」

そして、自分の前で「泣いてくれるか」

この辺りだと思っている。

子どもからのサインを見逃さないようにしないといけない。

 

ただ、最上位生は自分たちで勝手に判断する。

頭の良い先生や信頼できる先生は何となく雰囲気で判断できるし、

必要のない先生にはわざわざ近付かない。

最上位生に選ばれるためには別の力が必要だと思う。

わかりやすく言えば「頭の良さ」だ。

これは去年、SAPIX模試で1位をとったこともある生徒に言われた。

「何で僕の話は聞くの?」

「だって頭の回転早いし、頭良いじゃん。見てれば分かる」

たったこれだけの会話だけど、そういうもんかと思った。

頭の回転は早いと言われることは多いけど、

別に僕はその子に比べて学力的に高くないし発想力も負けてる。

それでも何となく信じられるかどうかを勝手に判断するらしい。

ある意味怖い話だ。

 

 

話は色々脱線したが、

コロナ禍で大変だからこそ、

塾の先生は「距離感」を意識し、「信頼関係」を大切にし、

勉強量以外のもう一つの「大きな希望」を子どもに与えてほしい。

そして、最後までやり切って、

納得のいく受験が出来る子どもが増えて欲しい。

 

僕も最後まで頑張ろう。

ありがとうございました。