受験×勉強×塾

初めまして!学習塾の中で教育に携わる「現役塾講師」の一人として、受験関係の話を中心に、塾の先生としてのあり方や良い塾の選び方、また勉強の方法などを日々考えています。自分にとっての戒めにもして日々精進…!記事タイトルの「」は塾業界等、『』は塾のリアルについて書いています。

「臨海セミナーの主張」×「STEPの主張」×「疑問と学習塾業界の発展のために」

先日Yahooニュースに取り上げられていた

「臨海セミナー」と「STEP」の争いがいろいろ大変なことになっている。

お互いのHP上で見解を示しているのだけど、

結構な食い違いがあるなぁと感じる。

ひとまず「学習塾業界の健全な発展」をお互いが目指している点は合意しているらしい。

これ自体は守られるならとても良いことだと素直に思った。

ただお互いの提案はお互いに拒否。

それぞれの立場も主張もあるだろうし、

相手の提案を素直に受けるのは難しいのは理解できる。

 

それなら臨海セミナー側のHPにあったように、

三者委員会にきちんと調査してもらい、

悪かった部分や違っていた部分は今後改善すれば良いのでは?というのは正しい。

STEP側がこれを拒否するのは、

臨海セミナーで今回告発した社員がSTEP側のスパイ的な人物だった可能性があるから?

とか思う部分はある。

臨海セミナー側もそれを疑っているから「繋がり」を暴露したいのかなと。

STEP自体は昔も湘南ゼミナールを訴えようとして損害賠償請求をされた過去もあるみたい。

今回も同じような感じなのかも…?

声明の中に「カナガク」「JCAST」が入っているのはSTEP側との繋がりがありそうだから?

個人的には、臨海セミナー側の「合格実績」よりも、

子どもを使った「個人情報の集め方」やリストの方が良くないと思っているが、

そこに関してはあんまり言及していないのは気になるところ。

後はこの声明文の書き方だと「すぐわかる証拠」は処理済みなのかもと思う。

色々疑問もあるけど、

大筋での「第三者委員会」を使ってきちんと調査するという方向性は、

別に間違っていないように感じる。

 

一方でSTEP側。

臨海セミナー側との直接のやり取りで、STEP側の提案をある程度納得したはずが、

夜に送られてきた臨海側からの「提案」は全く違うものだったとのこと。

その状況下で新たな提案を送ってきたが、

11:40頃の予定が「機械トラブル」で11:57に届き、パスワードはその1分後に送られる。

中身には「新たな提案を添付したので12:00までにご返答を」とのこと。

これは流石に短い。

何かあると思う方が普通だと思う。

当然、12:00までに返答できず、提案は合意に至らなかったというのが経緯と書いている。

こちらにはSTEP側からの提案内容(臨海に改善要求する部分)はきちんと書かれているが、

「第三者委員会の話」が出てこない。

つまりは第三者委員会はそれまでの話に出てこなかったということなのだろう。

 

臨海セミナー側も第三者委員会を置かれたら困るから、

この提案を今後出来ないように先に手を打ってきたと考えるべきなのか、

STEP側が単純に痛いところをつかれたと考えるべきなのか、今のところ分からない。

ただ相手に主導権は渡さない、という感じは見受けられる。

 

疑問がいくつか。

まずはやっぱり2分での回答は常識的にあり得ない。

何故こんな短い時間設定をしたのか。これでは詐欺の常套手段に近くなってしまう。

次に告発者について。

どうして臨海セミナー側は特定したことを書いたのか?

本人が行方不明になっている状況もあるらしく、

保護者にも電話を入れている旨まで記載。

「安否の確認は取れており、某塾が保護している」という話もあると書いている。

行方不明なのに安否の確認は取れている?ちょっと文意がおかしい。

ここまで詳細に書いたのはプレッシャーをかけるためなのかと邪推してしまう。

ただ「誠心誠意の謝罪があれば配慮する」と書いてあるのは救い。

さらにこの告発者特定のニュースをSTEP側が公開を取り下げて欲しいという話があり、

その条件を満たさないと話し合いの場は用意できないとしたこと。

これはSTEP側に何かデメリットがあったということなんだろうけど…

今ひとつ理由がわからない。

最後。

他の18社の塾はどうしたのだろう?

それなりに証拠もあって告発をしたはずなのに今のところ特に音沙汰なし。

静観しているのかな?とも思うけど、

それなりに「証拠」を集めたはずだから、今、動かない理由はよくわからない。

 

とまぁ思っていた部分を色々書いてみた。

今後も状況をちゃんと見ていきたいと思うけど、

まずは現場の子どもや保護者が安心できる環境に早くなれば良いと思う。

お互いに悪い部分を改善しあえる結果になって、

本当の意味で、切磋琢磨してお互いを磨きあえる関係に戻れれば一番。

コロナ禍で生徒数の確保も例年より大変なのも事実。

だからと言って悪い部分を叩くのではなく、

良い部分を生かして「良い塾」が増えればと心から思った。

少なくとも塾に携わる人はきちんとこのニュースについて1人1人よく考えるべきだろう。

後は臨海セミナーの社員もSTEPの社員も今とても大変だと思うから、

そういう意味でも早く収まって欲しいと思う。

 

僕自身もちゃんと事実を見て、色んな方向から考えて頑張りたい。

ありがとうございました。