「臨海セミナーとステップが和解」×「第三者機関の必要性と疑問」×「良い塾とこれから」
「臨海セミナーとステップ、学習塾業界の健全な発展のため、
お互い透明性のある競合関係のもとで切磋琢磨していくことで合意した」
という記事がJCASTニュースで挙げられていた。
要約すれば「事実上の和解」をしたということだと思う。
子ども第一に考えた結果として、
「今通っている子どもに最小限の迷惑で済むよう、早期決着をした」
という見方も出来るかもしれないけど、
それなら初めからこういう事態にはなっていないはずとも思う。
ステップ側が告発をした結果、自分達のまずい部分を指摘された結果、
矛を収めて終わらせる事になった、という方が解釈的にしっくりくる。
何というか。
ステップ側が和解に応じた事により、
「2分での回答」という非常識的に思える方法は正当化された事になるし、
告発者特定のニュースを取り下げようとした理由もわからないし、
他の18社が今回の和解に対して何も言わないのにも疑問が残ったのが正直なとこ。
早稲アカはもちろん、中萬学院も神奈川でも大きめな塾だから、
ステップがいなくともきちんとした「証拠」もあるはずだから、
真実を明らかにしてくれたら良かったのかなと思う。
他の個人塾も含めた塾は連名で名前を出したのに唆されて終わった部分もあるように感じる。
19社の塾に対して、
臨海側から「生徒リストを削除した」という回答がきたというニュースもあったので、
これが目的だったのなら良いと思うけど、
「優秀な生徒とその生徒が通っている塾のリスト」
を作っていた事を公に認めた事にもなるし、
今後もリスト化は続くだろうから目的が達成されたのかも、
そもそも本当に削除したものかどうかも疑問。
もし今回の収束を見越して「広告のチャンス」と思って連名に名前を出したのなら、
ある意味すごいなと思うけど。
ただ、告発者が求めた「未来」はこれだったのか。
僕にはわからない。
だけど、今後第三者委員会をきちんと設けて両方の塾を見守る機関が必要だと思う。
結局のところ、
ステップ側も外に出せない事情をたくさん抱えていて、
だからこそこんな形で一旦幕を閉じたのだと思う。
つまりは同じ事が繰り返される可能性の方がずっと高い。
今回の件で不安に思った子どもや保護者、また現場の先生などのことを考え、
健全な発展のために、透明性を持たせるのなら第三者の監視は必要だと思う。
言い方は悪いが、執行猶予期間みたいな、そんな感じ。
誠意ある対応を今後していければいいけど、
今回の一連の流れや対応、また収束のさせ方などを見ていると、
「合格者水増し」の部分に焦点を当てて話を進め、
他の本当に直すべき部分を見せないようにしている印象を受けてしまう。
だからこそしばらくは第三者機関があっても良いのかなと思う。
何というか。
通っている生徒が自慢できるような塾になるべきなのかなと感じる。
例えばSAPIXの上位クラスの生徒はその事実に「誇り」を持っている。
その「誇り」を得るために、生徒たちは必死に勉強する。
空いている日に個別を毎日入れる生徒がいたり、
睡眠時間を削ってまで勉強をしたり、いきすぎる時もあるけど、
ズルはしてないし、よっぽど「切磋琢磨」という言葉は似合っているように思う。
そういう意味では、
「生徒が集まる有名な塾」だから「良い塾」となっている現状ではなく、
「良い塾」だから「生徒が集まる塾」というのが浸透していけばいいと思う。
「合格実績」だって結局一人にたくさん稼がせている塾は多いから、
数字に惑わされず、本当の「良さ」が伝わる仕組みが一番なのに。
何にせよ、
神奈川で大手の塾同士が、本気で切磋琢磨をする事で「和解」をしたわけだから、
「生徒」を「弾」ではなく、改めて「人」として大事にしていってほしい。
目の前にいる一人を大切にできなければ、
その後ろにある人を大切にすることはできない。
演習授業の最中に営業電話をかけるとか、
子どもを使った執拗な勧誘とか、今回指摘された部分は直すべき。
そして合わせて社員1人1人が生徒のためを思えるような環境を作っていってほしい。
「骨は折れたところが一番強くなる」
これが人間らしい。
失敗したから悪いとは僕は思わない。
それを直すチャンスを生かすかどうかが問われているだけだと思う。
出来るかどうかも聞かれていない。
ただ「やる」かどうか。
これからもずっと試されると思う。
僕もしっかりやるべきことをやって頑張ろう。
ありがとうございました。