『1ヶ月だけの中学受験①』×『受験勉強はいつから?』×『塾と塾講師の本音』
遡ること約1週間前。
「中学受験をするために今から入塾は可能か?」
突然のご連絡に驚きつつも、
年の瀬ギリギリに面談の日時を設定してお話を伺う。
受ける学校は決まっていて、そこまで偏差値が高い学校ではない。
ただ今まで受験勉強はしたことがない。
学校の勉強も特段ものすごく出来るわけではない。
そんな6年生のこの時期からの入塾を受け入れる塾は多くはないと思う。
もしかしたら話も聞かずに「うちでは無理です」と断る塾の方が多いかもしれない。
どうしても既存の受験生もいる中で、
今からとなると、時間や労力を割くのは難しい部分もある。
さらに言えば塾もサービス業である以上「実績」が欲しいわけで、
今回得られるものはそういう「実績」とは少し離れたところにある。
言い方を変えてしまえば、
時間や労力をかけた割に、塾としてみたら単純な対価は思っている以上に大きくはない。
別に受け入れない塾が悪いとは思わない。
だけどよく考えてみる。
「勉強して頑張って受験したい」と思う子どもを目の前にして、
「うちではちょっと…」と帰してしまうのは、
塾や会社の経営としては正しい判断かもしれないけれど、
塾講師としては間違ってない判断ではあるかもしれないけれど、
「正しい判断」ではないのかなと思う。
綺麗事かもしれないけど、
初めて会う人だとしても、
頑張りたいと思って自分を頼ってくれたのなら、その思いに報いたい。
出来る限りのことをしたい。
そう思った。
そしてここから約1ヶ月。
受験に向けて本気で一緒に頑張っていくことにした。
「本当に大丈夫?迷惑じゃないんですか?」とも言われたけど、
「頑張ろうって思ってるのは伝わるから、それなら応援させて欲しい」と答えた。
過去問分析はこの1週間で終えた。
必要な問題の収集、進め方の想定、その他出来る事前準備もした。
後は受験の内容に対してどのくらい出来るのか、
国語と算数どちらの方が得意なのか、得意分野はどこか、
本人の性格はどうか、やる気は本物なのか、
勉強体力はどのくらいか、、、
本人を見て初めてわかる、数え切れない情報を元にベストと思える形を探る。
遠回りは許されない。
画一的なやり方で間に合うはずはないから、
その子に合わせたやり方を創って1ヶ月やり切る。
2月1日に笑うために。泣くために。
もう既に、賽は投げられている。
「1ヶ月だけの中学受験」
それを実現させ、花を咲かせるまで、全力を尽くし続けたい。