受験×勉強×塾

初めまして!学習塾の中で教育に携わる「現役塾講師」の一人として、受験関係の話を中心に、塾の先生としてのあり方や良い塾の選び方、また勉強の方法などを日々考えています。自分にとっての戒めにもして日々精進…!記事タイトルの「」は塾業界等、『』は塾のリアルについて書いています。

「親ガチャ」×「塾ガチャ」×「塾の選び方」

共通テストを受験された方、本当にお疲れ様でした。

今年もクマムシの問題だったり、漢字の間違いだったり、

平均点の問題や終了時間のミスからの追試など、

数え切れないほど色々な話題がありましたね。

まだまだ試行錯誤中なのが見えて、

高校や塾は勿論、振り回される受験生が本当に大変だと思います。

 

そんな今年の話題の中でも、

Yahooニュースでも取り上げられた一際大きな話題といえば、

倫理の問題で取り上げられた「親ガチャ」問題ではないでしょうか。

私大のテストならまだしも、

共通テストという中で取り上げるべき話題なのか、

当然の如く賛否がある問題だと思います。

他の人の意見にもありましたが、

本当に「親ガチャ」で恵まれている人がいるとすれば、

共通テストを受けているとは思えないし、

その真逆だとしたら、それはそれで共通テストを受けているとは思えない。

そんな中で敢えてこの問題に触れてくる「倫理」の問題。

何というか想像力が欠如しているのかなと思ってしまう。

 

 

…と「親ガチャ」についての話を掘り下げるのも興味深いですが、

今回の趣旨は別にあるので一旦放置して本題へ。

 

ガチャガチャというのが正しいのかガシャポンというのが正しいのか、

それは今もよくわかっていないけれど、

小さい頃からあの丸い玉には、希望というかワクワク感がありました。

自分自身で台を選択し、

レアなものだったり、自身の欲しいものだったりを当たるまでやる。

途中で100円玉が無くなったら出来なくなるので、

横からのぞいて残りを数えたり、いつ出そうか数えたり、

ダブったら交換したり、お手伝いでお金をもらったり…

そこには子どもなりの戦略性がありました。

今では少し形は変わりましたが、

ソシャゲでガチャというものはありふれているし、

良くも悪くも「親ガチャ」というものが広く知れ渡る土壌はあったのだと実感します。

 

 

さてそれなら僕自身の立場から考えたいのが「塾ガチャ」という存在です。

いやまぁそんな言葉が存在しているのかはわかりませんが…

だけど塾もサービス業だから、よく考えていけば上手く当てはまると思うし、

こういう考え方は塾選びの一視点になり得ると思います。

 

まずは台選び。

①「中学受験」「高校受験」「大学受験」「補習塾」「その他」

自身がどの塾のタイプを望むかで決まりますね。

②「個別」「集団」「映像」「家庭教師」「オンライン」「その他」

昔よりも少し幅が広がってますね。

③「大手塾」「個人塾」「中小の塾」

それぞれのメリット・デメリットをよく踏まえたいですね。

 

塾選びをする際の大前提を決めた所で、ようやく「塾ガチャ」がスタート。

同じ看板を背負っている塾でも、

塾長や講師によって雰囲気は全然違う。

だから他の校舎での良い話を聞いたとしても大きな意味はない。

その上、大手塾やフランチャイズを含む中小の塾では先生の「異動」が頻発し、

「上の子の時はよかったのに…」ということも良くある。

しかもこれは通ってる最中にも起こり得るという鬼畜仕様。

信じてた、お世話になっている先生が突如いなくなることもよくある。

ソシャゲのガチャでいう所の急な仕様変更によりユーザー側が不利になったり、

上位互換や下位互換のキャラが出てきたり、そんな部分。

本当に困る。

 

だけどソシャゲでガチャが引けるように、

「塾ガチャ」でも他塾の体験&転塾という形でチャレンジが出来る。

しかも大体の塾は体験が無料だったり、

タイミングによってはキャンペーンで初月無料だったりと、

最初の10連無料、みたいなことをやってくれる。

要するにリセマラが可能なわけで、これを生かさない手はないと思います。

ただ大事な「時間」を使うことにはなるので、注意が必要。

 

リセマラで得られるのは

「先生」「子どもとの相性」「カリキュラム」「システム」「雰囲気」「人間関係」などだ。

スキルひとつでキャラの強さが大きく変わるように、

これらの組み合わせ方が上手くいけば、

今まで伸び悩んでいる子どもが大きく伸び得る。

だからこそ視野を狭くせず「塾ガチャ」の存在をまずは知って欲しい。

 

…と長くなってしまったので、一旦この辺りで終わらせていただきます。

 

結局のところ言いたかったのは、

塾ってすごい数があるので、

その子にあった塾を見つけて欲しいということ。

一つの塾に居続けなきゃと思う必要はないこと。

いい先生に巡り合えるようチャンスを生かして欲しいこと。

そんな所です。誰かの参考になっていれば幸いです。

最後までお付き合いいただいた方、ありがとうございました。

それではまた次回。

『1ヶ月だけの中学受験②』×『この時期の正しい勉強法』×『信頼の証』

1ヶ月で中学受験「第一志望合格」を目指すリアルな物語。

年が明けようやく始動。

面談時にも本人と話したが、実際に勉強を見るのは初めて。

まずはどのくらい合格までに差があるのかを調べる。

 

本来なら単元ごとに勉強を進め、

何度も繰り返しながら少しずつ自分の力にしていき、

6年の夏〜秋以降に過去問を使いながら自身の志望校を目指すのが通常の流れ。

多少の差はあれど、それが大体の塾の一般的な流れだ。

僕自身も普段はそうしてる。

あるいはもっと早めに過去問を入れたりもする。

実際5年生の一部の子には、

もう算数の過去問(首都模試偏差70弱の学校まで)を解かせて合格点も出させている。

 

 

だけど今回はそんなことも言っていられない。

とにかくレベルの把握&事前の想定との間のバランスをしっかりとって、

本人にあう形を早く見つけないと手遅れになりかねない。

 

まずは実際に受ける学校の過去問を解かせた。

当然解けるわけはない。

だけどそれは想定内。

「今出来ること」と「1ヶ月弱で伸びそうな部分」を見つける。

大枠で決めた方針は、入試問題傾向を踏まえて

①計算の仕方をしっかりさせる

②算数は入試問題でよく出てくる単元のみやる

③漢字・慣用句・ことわざ・四字熟語をとにかくやる

④国語の読み方を作る

以上の4点とした。

これをやり切ればいろんな学校への対応は無理でも、

ただ1校のみなら何とか届かせることができるはず。

 

続いて具体的な教材をどんどん準備。

問題集だけでなく、色んな学校の過去問から抜粋。

この学校の選び方には塾講師としてのセンスが問われる。

ギリギリ出来る問題を選んだり、

余裕で全問正解出来る問題を選んだり、その都度意図を持って変える。

こういう価値の享受が塾へ通う意味の一つだと思う。

6年生用のテキストだけだとまとまっている一方で難しそうに見える。

その場合に(必要なら)きっぱり学年を下げる勇気は大事。

「本当に必要な問題集」だけをやるのが正しい。

また、過去問を含め様々な情報を元にした的確な分析が必要。

その辺りを塾に任せてとにかく解く。これが最短ルートとなる。

漢字はどこの学校を受ける際でも必要。

問題は「どのレベル」までやるか。これをしっかり決定。

今回は声の教育社「合格への2790題」の中の一部を採用。

後は知識で毎年出る内容をやれば点数に繋がるならひたすら覚えるだけ。

これはとても厄介。

本来、国語の読み方は一朝一夕では身につかない。

だから出来る限り多くの文章に今から触れさせ、

本人の読み方をベースに最低限身に付けるべきルールを叩き込む形に。

 

 

と。

こんな風に書くととても堅苦しい

 

本来勉強をする上で絶対に忘れちゃいけないもの。

それは「楽しさ」

中学受験が終わればゴールではないし、

むしろそこからがスタートみたいなところもある。

だからこそ本人が自分からやるようになるためにも「遊び」を持たせたい。

 

今回は本が好きな子と言うことで、

③の語句を覚えるために問題集ではなく漫画を入れることにした。

休み時間や空いている時間に読む。

ただそれだけ。

だけどリラックスにも繋がり、勉強にもなる。そんな仕掛け。

 

そして約10日が経った。

算数:順調に伸び、8割弱までは何とかきた。

国語:時間配分と語句が課題。6割弱。

本当によく話を聞いて頑張ってくれている賜物だと思う。

算数は単元をかなり絞った成果。

もう少しやること広げる余裕ありそうで何より。

 

後は今までよりも自分のこと含め色々話してくれるようになった。

これが何よりでかいと思う。

少しずつ信頼度が上がっている証拠だから、

僕も残り半月、その信頼に応えられるよう頑張ろう。

 

長くなりましたが、読んで頂いた方ありがとうございます。

また中間報告&結果報告ができればと思います。

『1ヶ月だけの中学受験①』×『受験勉強はいつから?』×『塾と塾講師の本音』

遡ること約1週間前。

 

「中学受験をするために今から入塾は可能か?」

 

突然のご連絡に驚きつつも、

年の瀬ギリギリに面談の日時を設定してお話を伺う。

受ける学校は決まっていて、そこまで偏差値が高い学校ではない。

ただ今まで受験勉強はしたことがない。

学校の勉強も特段ものすごく出来るわけではない。

 

そんな6年生のこの時期からの入塾を受け入れる塾は多くはないと思う。

もしかしたら話も聞かずに「うちでは無理です」と断る塾の方が多いかもしれない。

どうしても既存の受験生もいる中で、

今からとなると、時間や労力を割くのは難しい部分もある。

さらに言えば塾もサービス業である以上「実績」が欲しいわけで、

今回得られるものはそういう「実績」とは少し離れたところにある。

言い方を変えてしまえば、

時間や労力をかけた割に、塾としてみたら単純な対価は思っている以上に大きくはない。

別に受け入れない塾が悪いとは思わない。

 

 

だけどよく考えてみる。

「勉強して頑張って受験したい」と思う子どもを目の前にして、

「うちではちょっと…」と帰してしまうのは、

塾や会社の経営としては正しい判断かもしれないけれど、

塾講師としては間違ってない判断ではあるかもしれないけれど、

「正しい判断」ではないのかなと思う。

 

綺麗事かもしれないけど、

初めて会う人だとしても、

頑張りたいと思って自分を頼ってくれたのなら、その思いに報いたい。

出来る限りのことをしたい。

そう思った。

 

 

そしてここから約1ヶ月。

受験に向けて本気で一緒に頑張っていくことにした。

「本当に大丈夫?迷惑じゃないんですか?」とも言われたけど、

「頑張ろうって思ってるのは伝わるから、それなら応援させて欲しい」と答えた。

 

過去問分析はこの1週間で終えた。

必要な問題の収集、進め方の想定、その他出来る事前準備もした。

後は受験の内容に対してどのくらい出来るのか、

国語と算数どちらの方が得意なのか、得意分野はどこか、

本人の性格はどうか、やる気は本物なのか、

勉強体力はどのくらいか、、、

本人を見て初めてわかる、数え切れない情報を元にベストと思える形を探る。

遠回りは許されない。

 

画一的なやり方で間に合うはずはないから、

その子に合わせたやり方を創って1ヶ月やり切る。

2月1日に笑うために。泣くために。

 

もう既に、賽は投げられている。

「1ヶ月だけの中学受験」

それを実現させ、花を咲かせるまで、全力を尽くし続けたい。

「手洗いうがい」×「2月の勝者」×「塾講師あるある」

新年始まって早3日。

埼玉入試までは後1週間というところになりました。

いよいよ明日から冬期講習が再開する塾も多く、

ラストスパートを迎えますね。

 

ここからは今まで以上に体調管理をしっかりしていくことが必要です。

ありきたりですが、

何か特別なことをするのではなく。

「手洗いうがい」をしっかりするとか、

「ちゃんと食べてちゃんと寝る」とかそういうのが大事だと思います。

体調管理で受験を出来なかった、

あるいは十分に力を出しきれなかった例はいくらでも見てきました。

受験勉強を3年以上やってきた人が多い中で、あまりにも勿体ないですし悲しいです。

2月の勝者にも書いてあったように、

無事に受験を、2月1日を、迎えられる人はもう勝者ですよね。

まずその戦いに勝たないといけないのかなと思います。

 

これは先生側も一緒。

無理せず休める時は休まないといけないですよね。

そういう自分も休むのは何か苦手です笑

何というか人に任せておくより自分で見たくなっちゃったり、

子どもが頑張っているのに自分が休むのに疑問を持ったり、

そういう感性で今までやってきた故に休み方がわからなかったり。

多分共感してくださる方もいると思います。

ある意味ブラック耐性が強めなのかもしれませんが…。

 

だけど自身が倒れたらもっと困る事態になることをきちんと自覚して、

最後まで一緒に並走出来るように、自分を労ることも仕事の一つ。

自分の中でうまくバランスをとっていけるといいですね。

これはどの仕事でも一緒か。

 

何はともあれ、明日からの冬期講習後半戦。

先を見据えつつ頑張りたい。

明日から仕事が始まる人も多いと思いますが、

みんなが健康に頑張れればと思います。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

それではまた。

「本屋の減少」×「中学受験と正月特訓」×「やる気のあげ方」

元旦もあっという間に終了。

ヨドバシAkibaの上にある有隣堂が閉店することを初めて知り、

新年早々少し悲しい気分…。

ランドセルが半額になってたのにはちょっと驚いたけど。

 

最近本屋が本当に減っているように感じる。

特定の本を買う時のネットで買える便利さは分かるけど、

「たまたま」良い本と巡り合う機会が失われてしまうのはとても残念。

やっぱり実店舗の良さもあると思う。

かといって本屋を救えるほど本を買っているわけでもない僕が、

何で辞めちゃうのとかそういう無責任なことも言えない。

 

ならせめて、そこから何かを考えよう。

まずは何をする時でも便利さの裏にある代償を考えるようにしたい。

 

 

それはそれとして、中学受験まで残りわずか。

受験生にとってこの年末年始の過ごし方ってすごく難しいですよね。

『2月の勝者』の中では、

一度気持ちを緩めてしまったが故の失敗談が書かれていましたね。

張り詰めていた緊張感がなくなることで、

せっかく積み上げた3年間が台無しになってしまうことも…。

 

それが不安でその期間だけ個別指導や家庭教師を雇う保護者もいます。

最後の詰めですし、気持ち敵には正しいと思います。

ただ普段を知らない先生と相性が合うかどうかは別ですし、

保護者としては出来れば年末年始もきちんと通ってる塾が開いてて欲しいですよね。

課題を出す塾も多いと思いますが、

出された課題を自宅でやる場合と比べての安心感は段違いだと思います。

賛否はもちろんあると思いますが、

年末年始特訓や正月特訓には内容以上に大きな意義があるのは間違い無いです。

 

子どもにとっては「たった一度きりの受験」だからこそ、

しっかり見て欲しいと思うのは当然だと思います。

ただ塾の先生側からすれば「毎年」受験は来るわけで、

年末年始特訓を毎年やり続けるのも覚悟が必要です。

今は働き方改革とかで色々面倒な部分もありますしね。

 

塾に手厚さを求めるのであれば、

「子どものために」とやり切ってくれる塾なのかどうか、

直前気になる前にしっかり見定めておいた方が良いと思います。

普段は「めんどうみが良い」と言いつつ、

こういう時期には突き放しているような塾もあります。

選択肢を出してくれる塾がいいのかなと個人的には思っています。

塾をお探しの方の一視点として参考になれば幸いです。

 

 

そんなこんなで、

僕は今年は6年担当では無いためお休みの日でしたが、

正月特訓で自習に来ている子どもと先生に差し入れをしてきました笑

自分たちは応援されてて大事にされてるとやる気になってくれたら嬉しい限り。

そういう「頑張りを認める」行為が姿勢面向上や勉強をする上で大事なのかなと思います。

 

最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。

また次回もよろしくお願い致します。

「あけましておめでとうございます」×「もう一度」×「おもしろ荘」

あけましておめでとうございます。

「ここから」また頑張ろうと思った2022年3月以来となりました。

見返してみたら去年も同じような時期に同じような更新をした自分がいて、

成長してない自分に、早速なんとも言えない気持ちになりました…。

 

 

本当に「続ける」って難しい。

 

 

色んな忙しさが重なり余裕がなかったといえば聞こえはいいけど、

結局は自分の意思の問題。

何というか、勝手にハードルを作って勝手に遠のかせてしまっている。

2023年は良い意味でもう少し気楽に考えていこうと思います。

なんというか言葉を着飾るよりも。

自分の思いをはずかしからずしっかり書いていく。

 

「おもしろ荘」を見ていて、

本気で売れたい芸人さんの凄さを見た気がする。

僕に足りないものがそこにはたくさんあった。

ふざけてるはずなのにかっこいい。

しっかり見習って、少し違った一年にしていきたい。

 

ちなみに「ちゃんぴおんず・ナイチンゲールダンス・YELLOWww」が、

自分の中でのトップ3でした。ちょんとしたい笑

しっかりスタイル持っている人は強いですね!

 

今年も頑張ろう。

最初の目標は通算10万PV達成です。

改めまして本年もよろしくお願い致します。

「終わり始まり」×「気持ち」×「ここから」

この1ヶ月。

自身に大きな変化があり、頭の処理が追いつきませんでした。

いや正確にいうと、やるべきことは分かっているのだけど、

全く気持ちがついてこない。

茫然自失、という言葉がぴったりだと思う。

始まりがあれば必ず終わりがあるわけで。

終わりがあるからまた新たな始まりがある。

そんなことは分かっているのだけど、

自分の心はそんなに上手くできていない。

割り切るのが上手い人もいるけれど、僕はどうやら上手くない。

子どもにはいつまでも引きずらないで切り替えが大事、と教えているのに、

自分はあれこれ考えて先に進めない。

本当に情けない。

でもどんなに嫌だといったとしても終わりの日は必ず来てしまう。

自分の中でちゃんと分かってたはずだけど、

納得もしたはずだけど、

寂しさにも辛さにも嘘はつけない。

ずっとその繰り返し。

 

 

そんなことを考え続けた1ヶ月。

少しだけ前を向けるようになったと思う。

慣れたわけでも

乗り越えたわけでもないけれど、

新しいことを始めようという気持ちが少しだけ芽生えた。

少なくとも挑戦する子どもに負けないようにしたい。

自身を支えてくれている恩返しに

僕もちゃんと支えたい。

そういう存在になれるよう頑張りたい。

 

またここから。