「中学受験の迷信」×「偏差値といい学校」×「第一志望合格とマルチエンディング」
前回の「中学受験の迷信」の話の続き。
記事にあった残る迷信は2つ。
●偏差値が高い学校がいい学校だ。
これに関しては本当に違っていると思う。
もちろん偏差値が高い方が知名度は高いし、
「その学校に通っているだけ」で周りからすごいと思われることもあると思う。
偏差値70の学校に通っている生徒と偏差値40の学校に通っている生徒。
「先入観」として前者の方がすごそうに見えるのは間違いない。
ただ偏差値は一つの尺度であり、
それが全てではない。
一人ひとりの個性が違うように、
学校が持つそれぞれの特徴というものがある。
昔からの流れで考えれば、
「部活動が強い」や「理科実験や校外活動が充実」等があるし、
最近人気の流れだと、
「グローバル・留学」や「ICTの充実」「個々のめんどうみ」等が挙げられる。
後は「大学との連携」も最近多い。
有名どこだと香蘭・青山学院横浜英和・浦和ルーテルとか。
キリスト教系の学校は強いなぁとつくづく感じる。
これらの学校は偏差値が高い学校ばかりではない。
そういう別の尺度もあるのだ。
視野が狭くなりがちだがよく考えないといけないと思う。
「いい学校」は思っている以上にいっぱいあるということだ。
そもそも「いい学校」は通う生徒によって違う。
みんなにとって「いい学校」なんて存在しないし、
自分に合う学校を見つけることが何より大事。
尺度として何を用いるのか。
6年間通う学校なのだからよく考えて欲しい。
だからこそ塾講師は学校に詳しくなり、
それを提案できるようにならないといけない。
ただ個人的にだが、偏差値が高い学校には面白い子の割合が多いと思う。
いい意味でぶっ飛んだ発想を持っている子だ。
そういう友達と出会えるのは偏差値の高い学校に行く大きなメリット。
周りのレベルが高ければ、自然と自身の意識も高くなる。
だから偏差値の高い学校に行くことに合理性はあるのかな。
肝心なのは「自分の目」で見て、
「自分で考えて」決めることだと思う。
●中学受験のゴールは第一志望合格だ。
これは難しい話だと思う。
確かに、「自分が一番行きたい学校」に行くことを目標に、
(人にもよるが)3年生くらいから数年間勉強をずっとしてきたのだから、
それが目標だし、ゴールだと思ってしまう。
そのゴールにたどり着かなければ価値がないと思い込む。
時間もやりたいことも我慢して頑張ってきたのだから尚更だ。
これはある意味間違っていない。
だけど、まず忘れちゃいけないのが、
中学受験自体はゴールでも何ともないということ。
新しいスタートラインに立つというだけの話。
第一志望に受からなかったらそれで人生が終わるわけでもない。
「理想とは違っちゃったけど、今の方がもっと楽しい、そういうことだってある。」
アイシールド21という漫画の中で言われていた言葉。
本当にその通りで、
第一志望に受からなくても、
今まで積み重ねてきたものが全て無駄になるわけではないし、
違う学校に受かった縁を大切にしたら、もっと楽しい日々が待っているかもしれない。
その前提の下で、敢えて「中学受験のゴール」を考えるのであれば、
正しい答えは「マルチエンディング」だと思う。
もちろん「第一志望合格」が一番良いエンディングである可能性が高いし、
それを目指していくことは必須であると思う。
ただ「2月の勝者」にもあった通り、
第一志望に受かったからと言って、「その後」が幸せかどうかはわからない。
押し潰されてしまうこともある。
塾の先生がやるべきことがここにある。
第一志望合格に向けた指導はできて当然だし、これは最低限。
そうではなく、
「その後」を考え、見せるということだ。
これが出来てこその塾の先生なのだと思う。
以上のように「5つの迷信」について考えてきた。
個人的には「受験勉強」自体を楽しめるくらいの余裕があるのが一番だと思う。
結局のところ、楽しんでいる人が一番強いというわけだ。
楽しめるのも努力できるのも才能の一つ。
「今」出来ていなくても、焦る必要はないから、
一つ一つ理解していくことが大事なのかなと思う。
前にも書いた通り、才能は後からついてくるものだから。
明日も頑張ろう。
ありがとうございました。