「男子7人に1人は全滅」×「中学受験の実態」×「塾からの提案」
中学受験「男子7人に1人全滅」時代
「東洋経済オンライン」の中にあった驚きの数字。
リーマンショック後中学受験者数は減少し、
いわゆる「全入状態」が続いているものばかりだと思っていたが、
実際にはどこにも受からずに受験を終える「全滅」が多く出ているということだ。
ここで挙げられている数字について少し考えてみたい。
まず数字は首都圏模試センターが推計したもの。
首都圏の小学6年生のうち受験した児童は4万9400人。
それに対して総定員数が4万7442人。
よって合格率は約96%であり、全入時代ではなくなっていることを意味している。
さらに男女別の合格率を見ると男子が86.3%、女子が106.5%。
前年比で見ると男女とも約4ポイント減少。
結果、女子はどこかには合格できているが、
約7人に1人の男子がどこにも合格できてないということがいえる。
以上が概要。
さて感想。
そもそもこの数値の見方が妥当なものかよくわからない。
ただまず言えることとして、
受験者数が増えている、あるいは割合は変わっていないが、
6年生の人口が増えている可能性がある。
または募集人数が減っている学校が増えている。
そのため、今までの「全入」時代から大きな変化が起きたのかなという所。
男女差が出ている部分については、
「男の子は上の方の学校に入れないなら高校受験で巻き返せば良い」
「女の子は少しランク下げてでも中学校から私立に入った方が良い」
という感じの傾向が出ているのかなと思う。
そもそも女子校の多さにも要因はあると思うけども。
なぜ「妥当なものかわからない」と言えるのかは、
このデータが、「定員数」との見比べを行なっているからだ。
つまりは1人で複数校受かっている場合のへの配慮の仕方と、
定員ピッタリの人数だけをとる学校はほとんどない点から、
正確なデータといえるのかに疑問が残るということだ。
各中学校とも、多めに合格を設定するし、補欠もとる。
場合によっては思っていたよりも人数が多く、1クラス多く作る場合もある。
今は開成や筑駒ですら「繰り上げ合格」が当たり前に存在している。
それだけ多彩になっているのだから、単純な数値にはしづらいと思う。
こうなってしまった原因として、
大学受験の様子を見ての「安全志向」が大きいのではないかなと思う。
御三家に無理していかないでその少し下の学校を受ける。
そうすると例年だと受かる生徒たちが受からなくなる。
いわゆる玉突き事故の発生ですね。
大事なのはきちんと情報を把握すること。
年度によって大きく合格のしやすさが変わる学校もあります。
分かり易い一例を挙げるなら、
「香蘭」や「浦和ルーテル」といったMARCHへの切符を持っている学校や、
「広尾学園」や「三田国際」のような進学に舵を切った学校。
偏差値が驚くほど跳ね上がった。
塾の先生とよく話し合って受験の戦略を立てないといけない、ということがよくわかる。
例えば第一志望が「麻布」の場合。(都内と仮定)
1月:栄東・市川・東邦・渋幕あたりから1〜2校
2月1日:麻布
2月2日:聖光
2月3日:筑駒/早稲田②/浅野
2月4日:聖光②
とかこんな感じのプランを塾側としては思うことが多い。
だけどこれだと抑えがない。
もちろん浅野を抑えにするor埼玉や千葉への進学もOKの場合もある。
問題との相性にもよるので過去問次第な部分もあるけれど。
ただ実際には、
1日の午後に巣鴨(算数)や都市大を入れたり。
2日を本郷や攻玉社、明明にしてみたり。
4日を芝二次にしてみたり。
いろんな提案を塾側は考えるべきだし、
その生徒に合う学校なら偏差値帯が少し下の方の学校でも、提案すべき。
これがない塾は、
「目の前の子ども」よりも「実績」や「利益」を求めていると言える。
ちゃんとその生徒のためになる提案を出来るようになっていかないといけない。
大手だとその我を通すのは大分難しいことだと思うけど、
それでも「生徒目線で」一番と言える選択肢を取れるようになって欲しい。
とまぁ受験にはいろんなパターンがあるので、
実際に受けさせてきたパターンとか塾でよく受けさせるパターンとかは
いずれまた書いてみたい。
今年はコロナもあって、いわゆる前受けがとても読みづらい…。
僕自身も模索しなきゃ。
長くなってしまったので、明日も頑張ろう。
ありがとうございました。