「受験生が伸びる時期」×「覚醒と条件」×「本気と演出」
「受験生は受験当日まで伸びる」
僕自身が大切にし、子ども達にも話している言葉。
もちろん真実だと僕は思う。
実際に受験前後で化ける生徒は多くいる。
最たる例が「受験合格」だ。
一つの学校で合格し、その勢いに乗って、
自分の偏差値以上の学校にも合格することがある。
今までやってきたことが認められ、
自分に自信を持つことが出来た結果なのだと思う。
つまりは強烈な「成功」体験がもたらした、
「意識」が変わり「覚醒」する瞬間だ。
だけど受験生全員が、この瞬間に出会えるかどうかは、わからない。
全力で頑張っている受験生にだけ許された領域で、
最後まで自分を信じて前を向いている受験生にそのチャンスが訪れ、
この言葉を教えてくれた塾の先生を心から信頼していた場合にのみ、
「成功体験」が扉の鍵を開き、出会える可能性をもたらす。
難しいのは一つだけ。
「本気で」「心の底から」信じられるか。
塾の先生のことも。
自分自身のことも。
ただし「覚醒」の瞬間はいつ来るかはわからない。
先に述べた受験合格はあくまで一つの例であって、
受験よりずっと前の可能性もあるし、
受験が終わってからずっと後の可能性もある。
もちろん「人生」という長い目で見るのなら、
道中まとめて楽しみながらレベルアップをすれば良い。
階段を一歩一歩焦らず昇るように。
ただ時間制限のある「受験」で考えるなら、
その「覚醒」のタイミングはなるべく早いほうが良い。
間に合わなくては本末転倒だ。
塾の先生はこのタイミングが受験前に来るよう「仕掛け」をすべきだ。
日々の授業や会話から「信頼関係」を作る。
保護者との「連携」をしてより言葉の重みを持たせる。
この先生についていけば大丈夫だ、と。
まずこれが準備段階。
そして「覚醒」の条件である「成功体験」は受験じゃなくても実は作れる。
日々の小テスト、月ごとのテスト、偏差値の出るテスト、
もっと細かい部分で言えば、授業中の発言や課題でも十分なり得る。
ただこれらは「強烈な」成功体験ではないので「演出」が必要になる。
みんなの前で褒めるとか。
逆に一人だけ呼び出して褒めるとか。
ノートに丁寧なコメントをつけてあげるとか。
そんなちょっとした「演出」でも「覚醒」はし得る。
これが出来てこそ、一流の塾の先生たり得ると僕は思う。
「演出」が苦手かどうかは聞いていない。
ただ「やるかどうか」だけの話だ。
「覚醒」は1回とは限らない。何度でも可能性はある。
だから楽しい。
さて。
受かっても行かない「練習校」で、
一つ目の「合格」が出た時、どう声をかけていくか。
本当に迷い所だが、明日その瞬間に立ち会うのは動かない。
塾の先生側にも「覚悟」が必要。
よく考えて臨みたいと思う。
ありがとうございました。