受験×勉強×塾

初めまして!学習塾の中で教育に携わる「現役塾講師」の一人として、受験関係の話を中心に、塾の先生としてのあり方や良い塾の選び方、また勉強の方法などを日々考えています。自分にとっての戒めにもして日々精進…!記事タイトルの「」は塾業界等、『』は塾のリアルについて書いています。

「過去問を始める時期」×「過去問のメリット」×「上位生と下位生」

10月も2週目が終了。

時間が過ぎていくのは本当に早いなぁと思う。

 

中学受験まで残り110日弱。

そろそろ過去問を使い始める人が増えてきているはず。

もちろん塾によってはまだやらない方がいいと言うところもあるし、

8月下旬くらいから始める塾もある。

 

正直な話、

これはどっちでもいいと思う。

個人的には早めに第一志望校の過去問に取り掛かるほうが良いと思う。

理由はいくつかあるけど、

 

①自分と志望校との距離がわかる。

②どういう傾向・時間配分か知っておくことで今後の方針が立つ。

③総合問題を解くことで苦手分野を見つけられ、潰せる。

④モチベーションの上下に使える。

 

というのが大きいところ。

きちんとやれば、デメリットは正直そこまでないと思う。

強いていうなら時間の捻出をするのが大変だったり、

出来なかった時にどう対応するかが難しかったりはする。

 

 

ただ基本的にこの時期にやっても合格点にはいかない。

下手すると100点以上合格点まで足りないこともある。

それでも受かりうるのが受験だ。

 

ただ一つ。

「できる」と思ってやると大抵失敗する。

プライドが傷つく場合もある。

相手は小学生なのだから、

上手くいかないことを想定して動くのが正しい。

 

それでも模試以上に、

過去問の点数はモチベーションに影響もするし、

合格できるかどうかの見極めにも役立つのは間違いない。

模試とは違って「その学校だけの問題」なのだからその問題との距離感は大事。

各中学校の先生も過去問を参考にして欲しいと説明会でお話されていることが多い。

塾にもそれぞれの理論と相容れない部分もあると思う。

一方、模試ではどのくらいの位置にいるかを見る。

この相乗効果を使って合格に近づいていく。

 

「何のために」過去問を使っているのか。

答えは簡単で、

今合格点を超えるためではなく、

2月に合格点を超えるためにやるのだ。

だから「復習をどうやるか」が成功の鍵となる。

 

 

仮に10月から始めたとして、

10・11・12・1と4ヶ月。1ヶ月に約4週間。

塾の授業もこなしながら復習もしっかりする前提で週1回だと出来る過去問は12回分。

冬休みはもう少しできるにしても16〜20回分。

第一志望は2回受けられるところも増えているので、5年分×2回。

第二志望・第三志望を3年分。

他に抑え校や1月校をやるともう既に20回。

改めての解き直しをすることもできない。

そのくらい余裕はないのだ。

早く始めないとその分だけ合格から遠ざかると個人的には思う。

 

まぁ過去問をメインに据えて、

週に2回分進めていけば解ける学校数は増える。

上位生はその方がいいと思うし、

実際去年担当していた生徒は、

開成と筑駒の過去問は20年分は当たり前に解いていた。

その他の過去問だって1日1回分やって復習までやる時もあった。

 

 

結局のところ「やるかどうか」であり、

上位生ほどそれを理解している。

復習はして当たり前だし、

出来ないままでいいとは思っていない。

 

下位生ほど点数に一喜一憂し、

「できるかどうか」ばかりを気にしていく。

復習は形だけするけれども、

課題としてこなせばいいと心のどこかで思っている。

 

 

早くその姿勢を変えないといけない。

ここ最近、

ずっとそういう話を6年生にしている。

言葉は変えて、なるべくわかりやすく。

いつまでも泣いている場合じゃないし、

泣いても何も解決しない。

ただ、どういう話し方をすれば刺さるのかはやってみないとわからない。

一人でやるのではなくて、

他の先生との協力、あるいは保護者との連携も図りながら、

その子のために変わるまで何度でも話す。

いつかちゃんと届くはずだけど、

それが受験に間に合うまでの期間であることを切に願う。

 

明日も頑張ろう。

ありがとうございました。