受験×勉強×塾

初めまして!学習塾の中で教育に携わる「現役塾講師」の一人として、受験関係の話を中心に、塾の先生としてのあり方や良い塾の選び方、また勉強の方法などを日々考えています。自分にとっての戒めにもして日々精進…!記事タイトルの「」は塾業界等、『』は塾のリアルについて書いています。

「首都模試と声かけ」×「第一志望を諦める時」×「自分事と覚悟と塾」

10月の首都圏模試。

火曜日に解答・解説は出たものの、

成績が届くのは16日以降との事。

 

コロナの影響で一斉受験だけでなく、

ご家庭や塾での受験を今年はやっているため、

例年(週末には出ている)より集計に時間がかかるらしい。

まぁ仕方ないと思いつつ、

SAPIX模試とか日能研、四谷模試はもっと早く返すのになぁと思うところもある。

 

だからまぁ実際の採点は置いておいて、

解答用紙をあらかじめコピーするなり、

問題用紙に答えを書いておくなりして、

ざっくり自己採点+復習は済ましておかないといけない。

この作業をやっておくかどうかで、その後の成績は大きく変わる。

 

「鉄は熱いうちに打て」

 

とはよく言ったものだと思う。

 

 

そして塾の先生側の話。

模試を受け、結果を見て何と言うべきか。

褒める?それとも怒る??

一緒に喜ぶor泣く?全力で??

敢えて何も声をかけない?励ます??

選択肢は無数にある。

ここでこの模試を生かせるかどうかが決まる。

 

もちろん関係性や状況によってどれが良いのかは違う。

同じ点数でも怒られる人もいれば、褒められる人もいる。

目指してる学校なり、本人のレベルなり。

色んな事を考えて伝える必要がある。

 

全体へのお話を別の先生がした後、

僕はある子に一言

「悪くないけど、次回リベンジしようね」と伝えた。

ちょっと悔しそうな面を見せた後、目が嬉しそうにしていたのを見て、

うまく伝わったかなと思った。

 

多分「正解」とかは存在しないし、

例えあるとしても分かるのは時間がかなり経ってから。

自分が正しいと思ったことをやるしかない。

一つだけ正解と言えることは

「よく考えて、何かしら行動をすべき」ということだと思う。

まだ先があるのだから1回1回を大切にしていけばいい。

 

 

さて。

ここからが本題。

問題なのはこの時期の「6年生」への話し方だ。

 

多くの受験生には「第一志望校」がある。

憧れて、ずっといきたいと願っていた学校であり、

そのために遊ぶ時間や寝る時間を削ったりしながら、

日々の勉強を頑張ってきた。

 

だけど。

それが「無理」に思える時がくる。

行きたい学校の偏差値が65で、帰ってきた模試の偏差値は50。

到底届いていない。

過去問を解いていても合格最低点にも受験者平均点にも全く届かない。

 

真面目にやっているつもりなのにどうして?

志望校を下げたほうがいいんじゃないのか?

 

そんな考えが脳裏をよぎる。

 

大手塾は偏差値通りの受験を薦めるから、マニュアルに沿って

「この偏差値ならランクを下げて別の中学校にしましょう」と言う。

中小の塾だったり個別だったりすると、

無理かどうかはひとまず伏せたまま、

「志望校に受かるようやるだけやりましょう」とか

「こういう形でやればまだ十分受かります」とかそういうことを言う。

 

 

僕個人としては、

子どものことを思うなら、

「今のままじゃ受からない」

と現実をきちんと伝えてあげるのが、

塾の先生の使命なのではないかと思っている。

とても辛いし残酷かもしれないけど。

だけど、それを言えないのなら受験生に関わってはいけないと思う。

 

もちろん見捨てるつもりはなく、

「それでも受かりたいの?」「なんで?」

と真剣な口調で聞く。

そして受かりたいと言うのなら最後まで目指させる。

偏差値なんて関係ない。

出来るかどうかは聞いてないし、やるかどうかを聞いているだけだから。

 

結局のところ、

必要なのは、受験を他人事ではなく「自分事」にすること。

そして本気でやる「覚悟」なのだ。

その場の偏差値はどんなに話しても変わらないし、

子どもにとっても偏差値を元に話されたら肯定的な意見は出せない。

 

そんなことより、きちんと気持ちを整理する場を作る。

模試は所詮模試だし、

過去問は所詮過去問。

本番の時に合格点を出せばいいのだから、

この時期に出来ていないから受からないわけではない。

 

現実を伝え、気持ちの整理をさせて本気にさせる。

入試当日まで成績は伸びるから、

最後まで信じ続ける。

 

それが受験生のためにできることだと思う。

もちろん、併願校を考えて安心させるのも大事。

第一志望を変えるのだって悪いことじゃない。

だけど行きたい学校があるのなら、意地でも譲らないで欲しいし、

塾の先生がその意地を通すための「覚悟」を子どもに持たせて欲しい。

 

「無理」と伝えるのは、

覚悟をなくしたときでいいのかなと思う。

 

その見極めができるよう、日々頑張りたい。

ありがとうございました。