受験×勉強×塾

初めまして!学習塾の中で教育に携わる「現役塾講師」の一人として、受験関係の話を中心に、塾の先生としてのあり方や良い塾の選び方、また勉強の方法などを日々考えています。自分にとっての戒めにもして日々精進…!記事タイトルの「」は塾業界等、『』は塾のリアルについて書いています。

「成績が伸び悩む時期」×「原因と対策」×「褒めることと成功体験」

成績が伸び悩む時期。

受験に向けて勉強をしていれば誰しもが経験するはず。

 

自分が受け持っている理科のクラス。

今ちょうどそんな時期。

受験者平均にギリギリいかないくらいの点数を取る。

学校の難易度を変えても同じような傾向。

模試を受けても思ってるよりも結果が出ていない。

勉強時間が足りていないわけでもない。

このまま進めば第一志望合格は厳しいと言わざるを得ない。

 

 

原因は色々あると思う。

ただ一番は「質の低さ」

別の言い方をすれば「集中力の浅さ」だと思う。

勉強は時間と質の掛け算だから、バランスを取らないといけない。

 

子どもたちにわかりやすいように「覚悟」とか「本気」とかそういう言葉で話し、

時にはきちんと叱り、ピリッとする瞬間をたくさん作る。

泣く生徒もいるけど心を鬼にして怒る。

そういう形でばかり進めていると、

「怒られないため」にだけ勉強をするようになる。

だけど、そのやり方では一定以上にはいけない、というわけだ。

 

あくまで基本的な学習姿勢を整えるまで、

あるいは覚悟を決めさせるまでは有効な場合も多いが、

その後は別の手立てが必要になる。

 

それが以前も書いた「自分ごと」にさせること。

 

何のために?

誰のために?

 

勉強をしている理由を明確にする。

「受験合格のため」でいいのだけど、

何で合格したいのか?

受かった後の自分をきちんと想像させる。

 

だけど本当は「楽しいから」という理由になるのが一番だと思う。

人は好きなものに対してはいくらでも頑張れるからだ。

いわゆる成績が良いタイプの人は、

勉強のどこかに楽しみを自然と見出している人が多いと思う。

解けたときの開放感や優越感だったり、

もっと先を知りたいという知的好奇心や探究心だったり。

少なくとも勉強することへの疑問を持っている人は少ない。

「自然と」やっているのである。

 

 

そういう気持ちにクラス全体にもたらすためにどうすればいいのか。

個人的には目の前の生徒によっても、

時期や状況によっても大きく対応は変わると思うし、

その変化を見極められてこそのプロの塾講師だと思う。

 

一つ。

確実なのは「成功体験」を持たせられる工夫をすることだと思う。

わかりやすく言えば、

出来た時に全力できちんと「褒めること」

この褒め方がしっかり出来れば子どもは伸びていく。

わざとらしいと逆効果になり、諸刃の剣でもある点は注意が必要だ。

 

あとは褒めるための場の設定。

きちんと取り切る、ということも合わせてできるよう、

「プリント1枚を全問正解するまで先に進まない」

というのを授業中に取り入れるようにした。

合格できた子はとことん褒める。

出来なかったら何度でも同じものをやらせる。

小学生だと、、意外と盛り上がる。

 

それに加えて難しい問題をこの時期にあえて一度捨てる。

基礎の徹底を図る。

すると過去問や模試の点数は少しずつ上がっていく。

なぜなら理科の問題で全部が難しいということはほとんどなく、

光合成」と答えるような基礎問題がどこの学校でも一定割合存在するからだ。

点数さえ上がれば浮き足立った気持ちがまともになり、

ようやくやるべきことが見えてくる。

「負のスパイラル」からの脱却だ。

 

 

これは実際に授業の方針を変えて、今月実行している内容だ。

ちょっとだけ点数はまともになってきて、

受験者平均には届く時が増えてきた。

まだまだ褒め方が甘いから、もっと工夫は必要。

 

「自分のために」「自分で考えられる」生徒を育てたい。

これこそが自主性であり、

受験が終わってもずっと伸びていくために必要な方法だ。

 

私立中学生にも関わっているが、

受験が終わり中2くらいからどんどん落ちこぼれていく場面によく遭遇する。

そうすると個別に行くことになる。

だけど自分ではなんで行くのか分からないから、

どんどん勉強が嫌になっていく。

結局、受験の時に「詰め込み」ばかりしていたのだと思う。

その習慣はなかなか治らないし、

個人的にはかわいそうに思う時もある。

「勉強の楽しさ」あるいは「勉強から生まれる喜び」を味わえるよう、

色々な工夫をしていくことが塾講師には必要だと思う。

 

少しでも頑張ろう。

ありがとうございました。