「中学受験と塾の面談」×「見るべきものと聞くべきこと」×「信頼と利益」
10月も中旬になってきたこの季節。
塾にもよると思いますが、保護者会や面談の時期。
6年生にとっては模試や過去問の結果等を元にして、
「志望校」に向けての少しピリついた面談。
もちろんそれだけ「本気である」ことの証明でもある。
夏の成果が出ているのか、
本当にこのままで大丈夫なのか、
第一志望は良くても併願校の設定をどうすべきか、
不安になる要素はいくらでも存在している。
これは『2月の勝者』の中では「保護者の狂気」と揶揄されている。
いよいよ時間も差し迫ってくる中で、
30分〜1時間程度、ご家庭によっては2時間以上の面談をする中で、
不安を取り除き「安心」してもらう。
納得がいくように数値を元に話をする時もあれば、
同じような状況の生徒の経験を話す時もあるし、
ただ聞き役に回る時もある。
理由は単純で、保護者の不安がそのまま子どもに伝わるから。
そして保護者が先生を信頼していないと受験の合格は難しいから。
どこかで「大丈夫かな?」と思われた時点で、
受験の成功率は大きく下がる。
受験後にも不満が残る結果となる。
だからちゃんと寄り添うことは大事だし、
こちらの思いも真摯に伝えることが必要だと思う。
その上でご家庭の方針等を踏まえてどうすべきか、
最終決定を一緒に考え決めてもらう。
勘違いしがちだが、塾の先生は別に偉くないと思う。
塾にできるのは提案だけである。
校舎の都合や自分の意見等を押し付けてはいけない。
願わくば視野が狭まっている保護者に、
「子どもの意思」を気付かせられるような面談になればと思って毎回話す。
そのためにも、
1手先だけでなく3〜4手先まで考えて、
色んな可能性や事態をあらかじめ想定しておくのが心構えとして必要と思っている。
こういう考えをしているかは、
面談をしている中で確実に保護者に伝わる。
「ビジネス」として話しているのか、
「その子のために」話しているのかを見極めていただけたらと思う。
一方で4・5年生は、
今の勉強の状況を聞くのが半分、もう半分は1〜2年後を見据えた話となる。
日々の塾の中での状況など保護者から見えない部分を話しているか、
今のまま進むとどういう学校が目指せるのか、
マインドセットの方法をどうするのか、など具体的な話をすることが多い。
要するに「どれだけ自分の子ども」のことを見てもらえているかを、
保護者は知ることになる。
思ったような返答や話がなかった時には転塾を考えるべきだろう。
結局のところ、4・5年生でよく見ている印象を持てず疑問を感じれば、
6年生になってもどこかに不満や不安を抱えたまま頑張ることになる。
特に大手の場合だ。
もちろん、納得がいく面談なら気にせず大手を信じるべき。
その方が伸びる子どももいる。
こう考えたときに、
一番大切なのは「信じられるかどうか」ということなのかもしれないと思う。
「先生の授業が嫌い(つまらない)とその教科を苦手(嫌い)になる」
誰しも経験があると思う。
逆に言えば「自分の好きな先生」に出会えれば、
その教科は得意になることが出来るということだ。
成績なんてそれでいくらでも変わる。
大手の方が先生が多いから、出会える可能性は高くなる。
まずはここを見るのは一つの手だ。
だけどずっと教われるかどうかは分からない。
個人塾の方が先生の当たり外れは大きいが、
一度「出会えれば」ずっと見てもらえる。
だから地元の塾は試しに行く価値はある。
一方で中堅の塾だと「大きくなろう」としていて、
「利益」のためにしか考えない場所が多かったりする。
色んな校舎をどんどん出している塾は疑った方が良いかもしれない。
特に中学受験は「親の受験」とも言われているから、
子どもはもちろんのこと、保護者が信頼できるかどうかは大きい。
「面談」一つで塾は試されているのだ。
授業だけ出来ればいいわけではないことを肝に銘じたい。
小学生だけの話で思ったより長くなってしまった。
また中高生の話も書きたいと思う。
明日も頑張ろう。
ありがとうございました。