「面談の時間」×「傾聴と意外性」×「中学受験と大学受験」
以前も書いた通り、10〜11月は面談が多くなる時期。
一つは夏期講習が終わった後の成果の確認。
もう一つは冬期講習を見据えた今後の話。
そして受験に向けた志望校の話。
その他にも色々と話すべきことも多く、
保護者も不安になる時期なので話し方にも注意が必要。
そんな中、塾側として意識しないといけないことを戒めとして紹介。
もちろん事前の情報収集や提案力向上は当然。
話し足りなかった部分を少し掘り下げたい。
それが「面談の時間」
塾によってその時間は大枠で決められていることも多い。
僕自身言われたことあるのは「15分以内」とか長くても「30分以内」である。
だけど保護者の方も暇ではないし、
むしろお忙しい中、お金をかけてくださって塾に通っている。
だからこそ面談は短すぎても長すぎてもダメ。
もちろん相手によってその「適正な時間」は違う。
長すぎる場合には、子どもの勉強の内容以外が多くなってしまっている場合が多い。
これは他の仕事に支障をきたす可能性もあるし、
何より「言いたいこと」が定まらないままになってしまう可能性が高い。
端的にまとめられない時点で、
その先生のレベルが低いと思われてしまうことも有り得る。
短すぎる場合には信頼の証かもしれないが、
逆に信頼されてなく、本心を話してもらえてない場合が多い。
話しにくい雰囲気を作ってしまっているかもしれないので、
自分の話題の持っていき方や一方的な話になってないかの確認が必要だ。
何よりも大事なのは相手の話をちゃんと聞き、
「押し付ける」のではなく、「傾聴と共感」をしっかり意識すること。
こちらからの一方的な意見による「説得」は逆効果。
保護者はそんなものを求めていない。
自分の話をちゃんと聞いて欲しいのである。
だから面談時間は前も書いた通り30分〜1時間程度が基準となると思う。
保護者からの信頼は、日々の行動によって変わる。
例えば。
送り迎えの時にどういう話をしているか。
保護者が自分のことを信頼していれば、
向こうから色んなことを聞きにきたり、
面談の場じゃないところでちょっとした相談をされたりするようになる。
当たり障りのない会話ばかりだったり、
保護者側からの相談がなかったりするのなら、それは態度を改めないといけない。
もちろん一番接している子どもからの話も大きな情報だ。
子どもは敏感だし、よく見ている。
本気でやっているかどうかは伝わるし、
先生の人柄も頭の良さもちゃんと伝わっている。
日々の接し方や気配りの仕方を見直すことが必要と言える。
結局は「積み重ね」だと言える。
もう一つ大事にしないといけない部分。
それが校舎内での「情報共有」である。
面談で話した内容はちゃんと伝わっているのか?
授業する先生と面談する先生が全教科一緒ということはほとんどない。
その中で自分の子どもに関わる先生、
あるいは事務の人たちがちゃんと知っているのか?
ここが大きなポイントであると思う。
これは大手では難しい。
求めているものが違うからであり、それも一つの形ではある。
だけど中学受験なら能力も性格も個性も全部見てくれるかどうかも大事だと思う。
細かい部分かもしれないが、
大人になっても「ホウレンソウ」と言われるくらいなのだから、
きちんとやっているかどうかの差は大きい。
特に中小でこれが出来ていないのなら少し考えた方が良い。
大学受験ならもう少し自分の頭で考え、自らの足で歩まないといけない。
責任も覚悟も自分で負う。
そのくらいでないと上位の大学は受からない。
ただ注意として、大学受験は調べるべき情報があまりにも多く煩雑だ。
勉強の時間を確保するためにも、
自分の希望を元に、
「情報収集とまとめ」「選択肢の提示」を面談を通じてしてもらう。
そういった塾からの「提案」を受けうまく活用する、
あるいは学校や塾の先生そのものを利用できるようになって欲しい。
最後になるが、
いずれの面談にしても、「傾聴と共感」と同じくらい大切なことがある。
それが「意外性」だ。
保護者や子どもが思っている以上のことを話せるようになってこそ、
想像もしなかったこと、あるいは別角度から話せるようになってこそ、
一人前だと思う。
マニュアルだけでは一定以上の成長はしないし、
いわゆる「ジャイアントキリング」は起きえない。
それじゃ子どもの可能性がもったいない。
少しでも引き出せるよう、明日も頑張ろう。
ありがとうございました。