受験×勉強×塾

初めまして!学習塾の中で教育に携わる「現役塾講師」の一人として、受験関係の話を中心に、塾の先生としてのあり方や良い塾の選び方、また勉強の方法などを日々考えています。自分にとっての戒めにもして日々精進…!記事タイトルの「」は塾業界等、『』は塾のリアルについて書いています。

「中学受験実績と塾選び」×「SAPIXとエルカミノ」×「先入観と提案」

「新しい学年」が始まってから2週間目。

宿題の提出やら小テストやらが始まり、

少しずつ「新しい学年」でのペースや雰囲気が出来上がってくる。

先生側からすると1回目の授業では掴みきれなかった、

それぞれの生徒の様子が見えてくる。

 

授業中に積極的に発言をするタイプ、

黙々と授業を聞いてノートを書くタイプ、

授業と関係ない話をして輪をかき乱すタイプ、

言いたいことがあるけど言えずに溜め込んでしまうタイプ

・・・

 

と挙げていけばキリがない。

個人的には、どのタイプだから悪いとかそういうことではなく、

その生徒の個性を生かしていく方が良いと思っている。

例えば溜め込んでしまうタイプは、自分から話せるようになるまで声をかけたらいい。

そういう子は、自信を手にした時、突如化けたりする。

授業と関係のない話をするタイプは、

「自分に興味のあること」には滅法強いか、周りを信用してないかの可能性が高い。

どちらにしても、自分が「理解者」にさえなれれば輝き得る。

誰もが磨けばいくらでも光る原石というわけだ。

ただまぁ大人数になればなるほど、

個性は無視され「システム」による管理になるのも間違いない。

それがいいのかどうかは人次第だから、どっちが合うかは両方見て決めれば良い。

 

 

ただ1つ気にした方が良いことは、

先生に「先入観」が一度ついてしまうと、

中々そのイメージを払拭するのは難しい、ということ。

最初の数回の授業で生徒ごとの何となくの立ち位置が先生の中で決まる。

「この子はできる・楽しみ」とか。

「この子は厳しい・面倒だ」とか。

意識下なのか無意識下なのかは別にして。

 

 

「時間」は有限のものであり、先生の手も限られている。

少し冷たい話になるかもしれないが、

現実問題として「見ることが出来る範囲」はどうしても限られてしまうし、

先生も人間だから「頑張る生徒」の方を優先してしまう。

 

だからこそ、

この最初の数週間での「自分の見せ方」というか「姿勢」がとても大事だと思う。

自分から質問をしにいくとか

授業中の座り方を良くしてみるとか

先生に視線を向けるよう意識するとか

本当にそんな些細なことで良いと僕は思う。

そういう「積み重ね」は先生に届くし、いつか大きな財産になる。

これが子どもに持っておいて欲しい視点。

小学生が自分から気付くのは難しいから先生や保護者は一度話すべき内容だと思う。

塾選びにおいて、大手でない塾なら、

子どもの「意識改革」が出来るかどうかは大きな分かれ目だと思う。

 

 

そう言えば今年の各塾の合格実績が大分固まってくる中で、

最難関中学におけるSAPIXの圧倒的な人数は流石。

開成合格者の67.3%、麻布合格者の54.9%、筑駒合格者の65.6%

桜蔭合格者の56.5%、JG合格者の52.6%、豊島岡合格者の52.3%

といった形で、早稲アカや日能研四谷大塚といった塾とは一線を画している。

 

もちろん学校によっては他の塾の方が上の学校もあるし、

SAPIX自体の人数が多いことも関係しているとは思う。

それでもコロナ禍対応であれだけ批判を浴びたSAPIXだったが、

例年通り「圧倒的」な人数である。

SAPIXに通わせたい」という保護者が多いのも納得がいく。

それだけで1つのステータスになる。

ただ中堅の学校に目をやると、

SAPIXの合格者の数はそこまで多くない。

中堅以下の学校レベルだと対策に大きな時間を割いてもらえないかもしれないし、

そもそも「受けない」のかもしれないし、

受験日程をしっかり考えるのはあまり強くないのかもしれない。

ある程度より上のクラスにいられるのであれば、

SAPIXにいることは合理性もある。

 

一方で「行きたい学校」がきちんと決まっている場合だと、

個人塾・小規模な塾が選択肢として強い気がする。

代表格は「エルカミノ」だ。

今年の男子81名で開成13名・麻布5名・筑駒11名・灘7名、

女子17名で桜蔭3名・JG1名・豊島岡2名

他にも実績は多数あるが、ここだけでも十分すぎる結果。

合格率であればSAPIXよりもずっと上だと思う。

 

最難関レベルも「大手塾」でなくとも大丈夫ということ。

そして「学校ごとの」きちんと対策ができる塾はたくさんある。

だから「行きたい学校」があるのなら個人塾・小規模な塾をお勧めする。

個人的には、

中規模の塾で中学受験も高校受験も大学受験も手を出している塾が

一番警戒しないといけない気がする。

特に去年と実績が大きく違っていたり、

例年校舎ごとの実績を出すのに急にまとめていたりする塾は考えた方が良いと思う。

この辺りも塾選びの参考の1つになれば良いなと思う。

 

 

長くなってしまいましたが、

2・3月は学年も切り替わり「塾選び」の時期の1つだと思う。

今通っている塾を信じられるのか。

「何となく」通っているだけになっていないか。

学年が変わって提案がしっかりあるか。

いろんなことを加味して、良い出会いがあることを祈るばかり。

 

僕もしっかり選ばれるように頑張りたい。

ありがとうございました。