「SAPIXの新コース」×「授業点から見る塾の現状」×「結果と成果」
先日のSAPIXの学校別SOで起きた問題の話。
まだまだ波紋は広がっていますが、
これからの模試では2021年度の入試問題を見据えた模試作りをして、
信頼回復を図って欲しいところ。
そして同じくSAPIXから届いたニュース。
9月下旬より5年生で新コースでの授業が始まった、とのこと。
その中で「授業点制度」が導入され始めた。
まずは算数からとのことだが、
日々のデイリーチェックだったり、テキストの正解数だったりを点数化し、
クラス昇降を行なっていくというのが概要。
これって見方が難しい。
月に1回の「クラス分けテスト」だけでなく、
普段の授業での出来や小テストの出来も取り入れることで、
クラス分けテストで結果が出なかった時のフォローはできる。
あれ。
塾って根本が、結果が全ての世界だったはずじゃ…?
いや確かに。
プレッシャーに弱くて本来の力出しきれないケースとか、
普段の頑張りが反映されることでやる気が出るとか、
いろんな部分はあるかもしれない。
それでも受験に受かるかどうかがメインにあって、
SAPIXがやってきたことはその「途中の評価」でなく、
「最後の結果」へのこだわりだったはず。
それが学校のような部分が出てきてしまうと良さがぶれてしまうのでは…?
途中の評価を大切にするのはどちらかというと準大手や個人塾のはず。
どういう方針転換があったんだろう。
時代が変わり、顧客ニーズ的に変革が求められ、
考えないとまずい状況まで来てしまったのかな?と思う。
もう一つ。
授業中の評価を入れることによって、
授業に対するモチベーションだったりやる気だったりは確かに出る。
今までとは違って授業でも気を抜けなくなるのだから、
これは当然と言える。
一方で、こういう評価を導入しないといけないくらい、
授業中の態度が悪くなっているという可能性を考えてしまう。
塾あるいは先生の「求心力」がなくなっているのかなと。
元々SAPIXは休憩とかは特になかったはずなので、
授業への集中力は(特に上のクラスなら)他塾よりもずっと上だと思う。
それでももしかしたら抑えられない部分が出てきたのかなと。
後者の方はただの予想だけど、あり得ない話ではないと思う。
僕が不安に思うのは、
「天才型だけど少し変わった子」が生きなくなる部分。
そういう子の中には、授業中の小テストとかに興味がない子もいる。
元気に騒いでたりするけど難しい問題ほど、ぶっとんだ結果を出す。
そういう子には向いていないと思う。
もう一つは、
「毎回の授業がプレッシャーになる」という部分。
言うてもまだ小学生なのだ。
常に気を張っていなさい、というのは当然必要なのかもしれないけど、
「テスト」とか「クラス分け」とか、
そういう部分については親からのプレッシャーも大きくなるので、
毎回の授業でもそのプレッシャーと戦うとなると、
気付かないうちにストレスとなる。
通う子どもが潰れないで欲しいと思う。
最大手だからこそ、
何かやり始めれば疑問に感じる部分は絶対に出てくるし、
最大手であっても、
対応を間違え続ければ潰れてしまうことだってある。
塾としての結果へのこだわりは忘れずに、
生徒のためにどうすべきか、どう寄り添うか、
その都度正しいと思う判断をしていくしかない。
もちろんあっているかどうかはすぐにはわからない。
自分の下した判断の成果は後で分かること。
今回のSAPIXの「授業点」も、
数年後には良い制度と言われているかもしれないし、その逆かもしれない。
僕自身も「筋を通した正しい」判断を心がけたい。
ありがとうございました。「