「SAPIX学校別SO」×「過去問流用と対応」×「塾とサービス業」
今日はSAPIX模試で起きたちょっとした問題。
概要としては、
「学校別SOが行われたものの昨年度の問題と一緒。
前年度の模試の過去問をやった人もいたため、正確な評価ができない。
わざわざ時間とお金を使って、前年度との比較と言われても意味があるのか。」
という感じのもの。
昨年までのSAPIXはこんな対応をしていなかったが、
コロナの影響で去年との比較をしながら、
仕上がり具合をチェックしようとかそういう狙いがあるのかもしれない。
だけど外部生も受ける中でのこの対応なので、
色々と批判が相次いでいるというわけだ。
そもそもSAPIX側は他者への譲渡や転売、貸与などを禁じている部分はあるし、
勝手にやっている塾やら人やらが悪いという意見もある。
実際問題。
お金をとって「学校別オープン」として銘打っている以上、
そして2021年度の入試を目指して問題作成をすべきという意見がまず一つ。
後は過去問を解いて点数が高かった人は間違いなくいるので、
正しい評価や偏差値が出来ず、相対的な評価とならないという意見が一つ。
SAPIX側の対応も良いものではなく、
「6000円」「コロナ禍での受験」「時間」という3つの対価を払えたとは思えない。
せめてこれからの模試は、
「最大手」としてきちんと予想問題を作って欲しい。
少なくとも外部生も受ける模試についてはきちんとすべきだと思う。
SAPIXの今年の対応で言われているのでマイナスの部分は多い。
オンライン対応の遅さ。
ただこれは対面をギリギリまで引っ張ったため、学力的には優位になった部分も。
早稲アカとかは学力が例年より低い部分もあるとの話も聞く。
その点、SAPIXは学力下位の人数を抑えられた部分もある。
まぁそれはさておき、
「リスク管理への甘さ」や「保護者や顧客とのコミュニケーションの不得手さ」など、
塾がサービス業であることを忘れてしまっている対応。
これは良くないし、相手に対して失礼。
殿様商売になっている現状が垣間見える部分だと思う。
後は教材作成部門と実際に授業をする部門が違っているため、
Zoom授業などでの弊害が出てしまっている。
同じ会社内なら連携を取るべきだがうまくいかないらしい。
それでも最大手としての地位は揺らいでいない。
これはSAPIXの作ってきた信頼だと思う。
ただこうやって見てみると、
SAPIXの対応から学ぶべき部分はたくさんある。
個人的には過去問と全く同じ問題を出すのなら、
先にわかりやすい形で「昨年との対比を行うため、去年のものを使います」と
告知をした上で受験をさせれば良かったし、
受験票を送る時にでもその旨を書き、
「場合によってはキャンセル・ご返金対応をさせていただきます」
という形で対応をしていれば良かったのかなと思う。
通っている生徒や保護者がいてこその塾なわけで。
スラムダンクの中にあった
「お前のためにチームがあるんじゃねぇ。チームの為にお前があるんだ」
というセリフが浮かぶ。
塾のために生徒がいるのではなく、生徒のために塾がある。
順番を間違えてはいけないと思う。
そして「リスク対応のための策」はたくさん用意しておくべき。
これはどこの塾でも一緒。
今回の件なら、
SAPIXオープンに意味がないのなら、
受験をやめ、過去問を重視する手段もあるし、
単純に「模試」ではなく「テスト練習」としてだけ受け、
順位を無視する手段もある。
「2月の勝者」になればいいのだから、
そのために選んだ塾を最後まで信じることが大事だと思う。
塾側は信じてもらうためにできることをすべきだと思う。
そんなことを思いつつ明日も頑張ろう。
ありがとうございました。