受験×勉強×塾

初めまして!学習塾の中で教育に携わる「現役塾講師」の一人として、受験関係の話を中心に、塾の先生としてのあり方や良い塾の選び方、また勉強の方法などを日々考えています。自分にとっての戒めにもして日々精進…!記事タイトルの「」は塾業界等、『』は塾のリアルについて書いています。

「1月受験の仕方」×「コロナ禍での中学受験」×「塾の提案」

コロナ禍での1月受験まで残す所あと少し。

首都圏で考えると、

10日頃から始まる埼玉と20日頃から始まる千葉は実際に通える範囲。

第一志望ではなくとも、通いたいと思える学校がたくさんあると思う。

東京受験ができる学校で考えれば、

海陽や西大和、早稲田佐賀など上位もたくさんあるし、

寮も考えるなら北海道や関西を始めとして選択肢はより増える。

 

ただまぁ実際のところ、

2月の東京・神奈川が本命の人にとっては「練習」の意味合いも強いのは間違いない。

首都圏で最上位校を受けるなら、

(海陽(特別給費)→西大和→栄東(東大)→)渋幕→御三家→聖光→筑駒

のような受験プランになると思うし、

目指す学校がNで偏差値55〜60前後なら

栄東or早稲田佐賀→市川・東邦大東邦→本命校→・・・

のような受験プランにもなっていったりすると思う。

 

もちろん住んでいる場所にもよるし、

その子どもの性格にもよるし、

何より目指している学校によっても受け方は変わっていく。

「とりあえず合格をとっておいた方が調子に乗れる」タイプの子もいれば、

「実力相応校を受け、不合格になったらそこで奮起させる」タイプの子もいる。

これを読み間違えると受験結果が大きく変わる。

 

だからこその「1月受験」である。

 

ただあくまで本命校に受かるための受験であって、

「1月受験」に力を割くのは適切ではない。

偏差値だけで受験校を決めるのではなく、

問題傾向も踏まえて受験校を決めることが必要である。

この辺りは塾の先生ならある程度は、

誰しも分かっているし提案できてこそだと思う。

 

 

さて本題。

今年はこの「1月受験」がとても難しい。

理由はもちろん、コロナのせいだ。

仮にコロナに感染をしてしまったら、2週間弱は外に出れず拘束される。

1月上旬の受験校であればギリギリ2月の入試は間に合う。

千葉入試→東京入試は少し厳しい。

もちろん開成や跡見のように、コロナの場合には別日を設定してくれている学校もある。

 

ただこれはいずれも「試験」が受けられるだけである。

その前の2週間はどうするのか?

他の子が塾でサポートを受ける中、自分は家で黙々と・・・

と考えてみると、不安な気持ちになることは間違いない。

オンラインで対応してくれればまだ良いが、

通っている集団塾で一人ひとりのために丁寧な対応は望みが薄いと思う。

要するに最後の追い込みがないままの受験を迎えることになる。

 

「1月受験をしなければこんなことには・・・」

 

となり兼ねないのが現実としてある。

それが行くかもしれない学校ならまだしも、

練習のための「お試し受験」だとしたら、

ずっと頑張ってきた努力が水の泡となり、悔やんでも悔やみきれない。

 

受験会場は厳戒態勢に近い形になっていると思うけど、

そこに向かうまでの公共の交通機関やすれ違う人は大丈夫なのか?

本当に受けるべきなのかどうか…。

 

そんな中、今年は「長崎日大」の首都圏入試は取りやめ。

これは大きなニュースだと思う。

受験応援にもいったことがあるが、結構な人数が練習で受けていた印象。

特に「合格」を取りたい生徒にとっては大きい。

点数開示もあるからその後に向けての復習の方針決めにもなる。

土佐塾が2年前くらいに東京入試をなくした時にも、

受け方をとても悩んだ。

この時との違いは「長崎日大」は難しくない学校であることもあり、

受験層にとってかわりになるような学校を選びづらいことである。

同じ日大系列なら「宮崎日大」だが、こちらに入試は長崎日大の10日後。

そうすると埼玉の方が優先されるのか…?

 

 

とまぁ本当にコロナ禍での受験が難しい。

個人的には「1月受験」は、

6年生のメンタルを考えれば基本的にした方が良いと思っている。

たとえ行かないとしても、「自信」や「安心感」を買えるなら安いものだと思う。

やっぱり「合格」は嬉しい。

コロナ禍ではあるけれども、

きちんと対策や体調管理をした上で「必要な学校」を受けることが、

後のことも考えれば一番良いのではないかなと思う。

 

 

コロナも考慮に入れて、

「適切な受験」のプランを立てることが塾の先生の今年の仕事なのだろう。

 

僕も最後まで真摯に向かい合って頑張りたい。

雑談になりましたが、ありがとうございました。