受験×勉強×塾

初めまして!学習塾の中で教育に携わる「現役塾講師」の一人として、受験関係の話を中心に、塾の先生としてのあり方や良い塾の選び方、また勉強の方法などを日々考えています。自分にとっての戒めにもして日々精進…!記事タイトルの「」は塾業界等、『』は塾のリアルについて書いています。

「模試と判定」×「過去問の意味」×「意志ときっかけ」

いよいよ夏期講習も終わったので、

本格的な受験シーズンを迎える季節。

 

NNオープン模試が本日(30日)もあったように、

9月以降は模試の数も多くなってくる。

どの模試をどういう目的で受けていくか、

間違えないようにしないと思ったような成長にならないことが多い。

 

例えば

「首都模試」で求められる力と

「合否合判定テスト」や「日能研模試」で求められる力は全く違う。

難易度も配点も形式も違うし、受ける層も全く違う。

平均点も違うし、偏差値の持つ意味も全く違う。

これは、高校受験の「Vもぎ・Wもぎ」と「駿台テスト」の違いでも同じことが言えるし、

大学受験の「マークor 記述模試」×「ベネッセ」「河合」「駿台」「東進」でも一緒。

本当に模試の種類は豊富だと思うし、

こうやって選択できる余地が多いのはとても良いことだと思う。

 

 

だから受験生側がすべきことは

「志望校に合わせて受ける模試」をちゃんと変えること。

自分のレベルにあっていない模試を受けていくと、

「自分は出来ないんだ」と思って、本当に成績が下がっていく。

逆に、模試の種類を変えたら偶々良い点数が取れて、

それが「きっかけ」になって、成績が急上昇することもある。

 

そんなものだと思う。

ただ今年は「受験会場に実際に行っての受験」がコロナ禍の影響で難しい。

いくつものテストが塾での受験or自宅受験となっている。

これは実はとても痛い。

特にプレッシャーを感じるタイプの生徒は、

入試当日に実力通りの成績が残せない結果になってしまうこともあり得る。

それでも模試は受けるべきだと思う。

目標までのなんとなくの立ち位置と距離を測ることが出来る部分と、

先ほど述べたようなきっかけや刺激になり得るからだ。

 

 

ただ忘れないほうがいいことがもう一つ。

 

それが、

模試は所詮「模試」だということ。

それ以上でもそれ以下でもない。

 

模試で偏差値70を取ったら合格出来るなら話は別だけど、

(高校入試の一部でこの制度まだ残っていますね。)

別に模試の結果が悪いことは、実際の入試に対しては何の意味もない。

だから成績に拘ることは大事だけど、悪くても気に病まなくていい。

悪ければ出来なかった所を直せばいいだけ。

次に出来れば問題ない。

ただの「模試」であり練習みたいなものだから、

本番じゃなくて良かったと開き直れば良い。

「判定」も今はそんなものかと思っておしまいで十分。

 

大体「自分の行きたい学校」と問題の出し方は違うのだから、

出来なくとも意味はそこまでない。

「模試」で出来なくても入試合格や逆転はいくらでも出来る。

割り切って考えてしまえばいいと思う。

そして意識を高めるために上手く「模試」を利用できればと思う。

 

 

同じようなことが過去問にも言える。

中学受験に絞った話をしていくと、

過去問に本格的に取り組むのは早くて8月下旬、遅くて10月上旬くらいかなと思う。

古い順からやるか新しい順からやるか、から始まって

第何志望からやるか、何年分やるか、直しの仕方、科目の優先度、、、

と数えたらきりがないくらい塾や校舎、先生によって違う。

結局のところ、どれが正しいというのはない。

ただ模試以上に意識しないといけないのは、

 

 ①合格最低点との開き

  →自分の立ち位置/目標設定

 ②直しの仕方

  →次に出来るようにするために?/どこまで出来るように?

 ③傾向を掴む

  →学校ごとの特色をつかみ、点数の取り方を考える/出やすい分野の確認/時間配分

 ④量をこなす

  →過去問は「最高の総合問題集」とも言えるので、復習のきっかけにもなる。

 

本当に行きたいのなら、

③の部分はとても大事。

相性が合うかどうかで偏差値の差はいくらでもひっくり返せる。

 

もし合わなかったら?と聞かれたら、

僕は即答で「合わせればいい」と答える。

塾の先生にはこの自信を持った「即答」が必要だと思う。

その場で本当かどうか分かっていなくても、

「現実」にしてしまえばいい。

 

何はともあれ、「模試」も「過去問」も利用して、

受験本番で力を出し切れるよう練習をしっかりさせていくべき季節。

さらなる飛躍のために明日からまた頑張ろう。

ありがとうございました。