「中学受験の迷信」×「成功の秘訣」×「時間と管理とやる気」
今日は「受験直前期の親が陥る迷信」という記事から。
これはなかなか面白い記事。
現場で見てる現実と色々照らし合わせてみたい。
●合格の可能性が勉強の「時間」と「量」に比例する。
これはいきなり厳しい話。
まぁそう思いたい気持ちはすごくわかるし、
僕自身そうであって欲しいと思う時はものすごくある。
だけど、実際のところ相関関係はあるだろうけど比例は全くしない。
これは勉強全般に言えることだけど、
「時間」や「量」だけをやっていても出来るようにはならない。
というかそれで出来るなら塾は必要ない。
そこに「質」の概念が必要になってくる。
「考える」という作業をいったいどれだけしていて、
色々なことに「なぜ」としっかり思えているのかどうか。
受験勉強に重きを置くなら「方向性」なども必要になる。
逆に言えば、
それを意識すれば残り時間がなくとも何とかなるし、
偏差値が足りなくとも学校を絞って対策をしっかりすれば対応が出来るということ。
これはこれで大きな「希望」だと思う。
もちろん最低限の「時間」と「量」をこなした上での話だけど。
ここは勘違いしてはいけない。
塾の先生は「その努力が報われる」ための道を示せてこそ。
それが頑張った生徒への「対価」だと思う。
●親が徹底管理する中学受験は成功する。
2つ目のこの話。
これはまぁ…当てはまる人も一定数いると思う。
一人ひとりを丁寧に見る、ということをしているわけではないので当然。
甘い生徒など徹底管理で上手くいくケースもある。
ただ実際は子どもを潰しかねないし、
そういうケースを何度も見てきている。
中学受験は「親の受験」と呼ばれているのは周知の事実。
子どもの考えをしっかり聞く保護者も少ないし、
そもそもそこまで考えがしっかりしている子どもばかりではない。
「自分から」塾に行くし、
「楽しいから」勉強するようになるのが一番だと僕は思う。
理想論かもしれないけど。
それでも自分が見ている生徒、
あるいは見てきた生徒にはその意図が伝わっているのか、
幸いにも楽しそうに通ってくれる生徒が多い。
こちらの「誠意」や「本気」は伝わっているということだと思う。
声かけの仕方や褒め方も含め、色んな工夫をすることで、
勉強を楽しむことは出来ると思うし、
そういう生徒の方が強く受験にも成功するケースが多い。
だから成功するかどうかは「徹底管理」に関係ない。
生徒ごとの「個性」があるので、
その個性に合わせた対応をできるかどうかが鍵だと思う。
塾の先生としてはその「見極め」をして提案出来てこそかなと思っている。
●どこかに必ず「やる気スイッチ」がある。
これがまた難しい。
個人的には「やる気」になる瞬間は誰にでもあると思う。
最初は授業中に落ち着いて座って授業を受けることも難しかった子どもが、
気がつくと授業を真剣に聞いている。
宿題なんてやってこなかった、写しているだけだった子どもが、
「分からない」ところを質問に来るようになる。
これは些細だけど、とても嬉しいこと。
この「変化」に気付いてあげることができるかどうかで、
やる気が引き出されるかどうかは決まる。
ただ成績の上がる瞬間もそうなのだけど、
問題なのはそれがいつくるか分からないということ。
もしかしたら夏前に来るかもしれないし、過去問を解き始めたタイミングかもしれない。
年が明けてからかもしれないし、第一志望を受験し終えた後かもしれない。
実際に「もっと早くやっておけば」という声は毎年のように聞く。
かといって周りが焦ったからといって、早くやる気になるというわけでもない。
子ども自身の「自覚」と「覚悟」が必要。
つまり塾の先生としては何としても「間に合わせる」ということ。
これが責任であり使命。
まだ話は続いているのだけど、
長くなってしまいそうなので残りは次回。
個人的には子ども一人ひとりに「寄り添う」塾の先生が増えて欲しいと思うし、
自分自身も初心を忘れずそうありたい。
明日も頑張ろう。
ありがとうございました。