受験×勉強×塾

初めまして!学習塾の中で教育に携わる「現役塾講師」の一人として、受験関係の話を中心に、塾の先生としてのあり方や良い塾の選び方、また勉強の方法などを日々考えています。自分にとっての戒めにもして日々精進…!記事タイトルの「」は塾業界等、『』は塾のリアルについて書いています。

「漫画の強み」×「勉強」

昨日は「国語の成績」と「読書」の関係について考えました。

詳細は昨日の日記に譲るとして、

大雑把に申しますと「読書」が成績に直結しなくとも、

役に立っているということです。

 

その中で僕が「教材」としてオススメしたい、

というよりも自分がこれのおかげでできるようになったのではないかと思うものがあります。

それが「漫画」です。

賛否あるのはわかっています。

 

それでも、

自分の通ってきた道の中で、一番最初の「教材」なのではないかなと思います。

もちろんいいことばかりでないのは分かっていますが、

漢字や様々な言葉、ベタな展開、登場人物の心理状態、

色々なルール(スポーツなど)、自分一人では手を出さない分野の話…

数えていけばキリがないくらい色々なことを学びました。

そして色々な事を考えさせられ、

そこから別のことも知りたくなり、自分から調べ詳しくなったり、

その過程で「調べ方」を学んだりすることもできました。

自分が好きだから、興味があるから続くし、気になるから深く考える。

なんども読み直すから覚えることもできる。

こうやって勉強の仕方の根幹を無意識に学んでいる。

 

そういう意味で、「漫画」を通して、

勉強を無意識に経験し、そして知識も同時に得る事が出来るように思います。

少なくとも自分の持つ知識の一部は、

こうやって形作られたと思います。

 

悪い部分があるのもわかりますが、

メリットもしっかり存在していると思います。

リラックスもできますしね。

 

むやみやたらに教科書や参考書だけの勉強だけを推し進めなくても、

上手くいくことってあると思います。

行き詰まった時ほど一旦外から見てみるのもいいのかなと。

 

だからこそ「漫画」は「教材」として役立つのではないかと思います。

 

色々な気持ちを育ててもくれるので、

上手く付き合っていってほしいなと思います。

ありがとうございました。

「国語の成績」×「読書の有無」

今日も少し違った角度からのお話。

 

今まで「教材」について色々書いてきましたが、

自身がやってきた今までの勉強を振り返ったときに、

どうしても避けられない「教材」があります。

 

ただ大前提として、

「国語が出来るようにならないのは読書量が足りないからだ」

という誤解を解いておく必要があります。

本当によく保護者からも相談されますが、

読書量が多い=国語が出来る、ではありません。

だから6年生になって、国語が出来ないから本を読ませようというのは、

大枠で申しますと間違っています。

 

なぜでしょうか。

 

それは「読書」で求められている力と「読解」で求められている力が違うからです。

「読書」には作者の思いを見つけるという縛りは必要ありません。

読み方も人それぞれで自由に行間を想像し、

思いを張り巡らせ、好きに時間を使って楽しみながら読んで良いものです。

自分が応援する人物がいても良いし、感情移入も自由。

むしろ「深読み」という言葉が存在するように、

想像力を膨らませ没入して、深く読み込むことが大事にされます。

そこから出される課題があるとすれば、

「感想文」だったり、「続きの創造」だったりです。

 

さて一方で「読解」とはなんでしょう。

そうですね。

「読み解く」の言葉通り、

作者・筆者の言っていることを文中の根拠を基に読み取って、

答えとしてふさわしいものを選んでいくことが大事にされます。

そこに自身の思いや想像を入れた瞬間に不正解になります。

時間も限られています。

おまけに出てくるのは話の中のほんの一部分だけです。

「感想文」なんて聞かれていません。文中の言葉を拾えるかを聞いてます。

 

以上から分かる通り、

「読書」と「読解」は別物です。

国語の成績を上げたければ、国語の「読み方」を知りましょう。

目的に合わせた行動をしましょう、

 

だから「読書」が直接国語の成績とは関係ないと言えるわけです。

 

ただし、

「読書」をすることで様々な能力が育ちます。

一番最たるものが「言語能力」です。

使われる表現であったり、その意味であったり、使い方であったり、

「言葉」に対して敏感になれます。

これは大きなメリットです。

わかりやすく言えば「なんとなく話がつかめる」ようになります。

似たような話は多いので、

「こういう行動をしたらこういう気持ちが生まれて…」

と言ったような「ベタな展開」を予想することもできるようになります。

漢字も自然と読めるようになっていきます。

この辺りはとても大きいですね。

こう言った感覚は受験国語とは別に、日常生活でも役立つと思います。

あとは読むのが早くなるとかも地味なメリットかもしれませんね。

 

だから直結はしなくとも、

本を読んでおくことに損はないし、

読んでなかったとしても、

取り返しがつかない訳ではありません。

今からやればいいだけです。

個人的にはある程度本は読んでもいいのかなと思っています。

 

前提だけで長くなってしまったので、

僕の思う「教材」は次回書こうと思います。

ありがとうございました。

「環境」×「異動」

今日はふと思ったことを書いてみます。

 

昨日の「環境」の話と先日の「異動」の話。

これって結構関係あると思うんですよね。

 

「環境」ってすぐに変わり得るものだと思います。

本当にちょっとしたことで。

横に座る人でも変わるし、

それこそ天気やエアコンとかの温度でも変わる。

そのくらい曖昧なものだと思います。

 

その中で「塾」として考えたときに、

どうしてもその場を仕切る先生の存在は大きいと言えます。

それでかなり様子は変わりますし。

だから異動がたくさん起きてしまう会社、塾だと、

入った時と通ってる最中で環境が変わっていくことは明白です。

言い方悪いですが詐欺みたいですね。。

個人的には本当に残念…。

 

たたそういうこともあり得ると思って、

個人がやってる塾以外は入らないといけないと思います。

 

何だかなぁと思ってしまいますが、

これが現実です。。

生徒のために真摯な塾でありたいと思いました。

ありがとうございました。

塾選び×「環境」の大事さ

今日はちょっと話を変えて、

勉強をする際の「環境」について。

 

コロナも流行っているので大事なことですね。

実際塾における環境としては何が用意されているべきなんでしょうか。

塾は勉強をする場所です。

だから一人ひとりにとって集中しやすい場所である必要があります。

とはいうものの、

人によって集中しやすい環境なんて違います。

誰も喋らないような自習室がいい人もいれば、

適度に話し声があったほうがいい人もいるし、

それこそマックやサイゼ、スタバなどのような場所がいい人もいます。

 

塾側としては、学年にもよりますが、

「ちゃんと見てくれる安心感」という環境が整っているかどうかが、

最も重要なんじゃないかなと思います。

なぜなら静かな環境だけが望みなら図書館に行けばいいし、

家だと勉強できなくて場所だけ確保すればいいのなら塾でなくても大丈夫だからです。

 

塾に望んでいるのは成績を伸ばすことであって、

そのために必要なのは、

「この塾にいれば大丈夫」あるいは「この先生についていけば大丈夫」という信頼です。

自分が信頼を寄せている人から言われたことはすんなり入ってくるし、

実際、2年ほど個別指導で指導と全体管理に携わりましたが、

大幅に点数が上がった人は多かった(数学30→90とか)し、

塾によくありがちな「通っているのに何も変わらない」というようなクレームは、

ほとんどありませんでした。

「意識が変わった」とか「勉強を楽しそうにやっている」とか「勉強の仕方がわかった」とか

前向きに捉えてくださるケースがほとんどでした。

本当にありがたい限りです。。

自分で直接見ていない生徒であっても、

「先生に出会えてうちの子は変わった」とか「本当にありがたい」とよく言われました。

 

これは多分、

生徒一人ひとりときちんと向き合ってきた結果だと思います。

やっぱり生徒は見てるんですね。

僕自身が良い先生かどうかはわかりませんが、

 

「生徒をしっかり見てくれる先生がいて、安心感がある環境」

 

こそが塾にとって必要なのだと思います。

あとはある程度全科目全学年対応が出来て、

教える際にうまく生徒に合わせたヒントだけを出せるスキルを身に付けることが、

先生側には必要だと思うし、

僕自身もそうなれるよう努力し、

難しいもの以外は大体対応できるようになりました。

先生も一緒に育っていくような環境だと良いかもしれませんね。

 

その大前提の上で、

「静かさ」がある程度保たれていて、

「清潔感」があって、

「質問に答えてくれる先生」がいて、

「生徒の自主性が優先される」環境がいいのかなと思います。

 

ありがとうございました。

教材選びのもう一つの視点×モデルケース

昨日お話しさせていただいた「教材」

結局のところ、

目的を明確にすることが最も大事だと書かせていただきました。

 

もう一つ、自分の中で大事にして欲しいことがあります。

それはできる限り自分で本屋さんに行って「見て」決めることです。

「自分の信頼している先生から教えられた教材だから絶対に大丈夫」

ということはおそらくありません。

単純にその先生が知っている教材の幅が狭いだけかもしれません。

偏差値だけ見て言っているだけかもしれません。

現状を踏まえずにいいと言われている問題集を言っているだけかもしれません。

 

もちろん全く的外れのことを言う先生ばかりではないので、

信頼関係によってはそのまま購入でも良いのかもしれませんが…

 

それでもできるだけ自分で見て決めた方が良いと思います。

だって自分がこれから長く使って解く問題集ですよ。

中身も何も見ずに判断するって言うのは、

かなり勇気が必要だと思います。

レストランだってサンプル置いてたり、写真があったりして、

「見て」決める方が、安心できるし絶対良いでしょ。

それと一緒です。

だから話を聞いた上で、実際に「見る」ことはとても大事です。

 

今日は一つのモデルケースもご紹介。

中学受験の算数で何をやったらいいか迷った場合のご紹介です。

対象は中堅前後の学校を目指す生徒、

あるいは首都圏模試で偏差値60前後を目指す生徒あたりのボリューム層です。

人それぞれでやるべき教材の微調整は必要ですが、

その層の中で一般的な教材を紹介したいと思います。

 

まず、自分が算数どのくらいできるのかをしっかり理解します。

 

その上で最初にやった方が良いのは

「ベストチェック」です。

これは基本がバッチリ抑えられる上、問題数も少なく、確認にも役立ちます。

困ったらまずはここからスタート、

そしてこれだけ完璧にしていれば首都圏模試で50を超えるのは難しくないです。

同時にその辺りの中学までならこれだけでも対応できます。

難点は解説の薄さ…

間違った解き方にならないよう注意が必要です。

答えだけ分かっても入試では役立ちません。

ちゃんと理解できるまで受験算数わかる人に聞くべきです。

同時に使いやすいのは「算数の基本問題」ですかね。

 

これと並行で進めたいのが「下剋上算数(上)」です。

1回分が10問なっており、各学校の大問1・2の対策にもなり、

バランスよく出題もされているので、

本当によくできた教材です。

これがマスターできれば、首都圏模試で60を目指せます。

下巻まで手を出すのは上位校を狙う方だけでOKです。

使い方のコツは1回で頑張ろうとしないこと。

繰り返す中で身につけば良いのです。

きちんと直していくことができれば算数を武器にできます。

問題数を減らしたい方は「算数の達人」でも代用はできるかもです。

 

そしてもう一歩頑張りたいとなった時には、

「プラスワン問題集」がオススメです。

ここまでくれば首都圏模試で65以上が見えてきます。

後ろの方のテーマ別までやらなくても十分です。

必要なのは最初の方の単元別の問題です。

少し難しい問題まで含まれているのでこれができると大きな自信になります。

ベストチェックが完璧になった方は是非。

もう一歩レベル上げたい場合には「ステップアップ問題集」もオススメです。

 

以上の3冊をしっかりやれば、算数の基本は大丈夫です。

むしろ他はいらないかも…

偏差値65以上取れるようになったら、大きな自信にもなります。

そうしたら今度は他の問題集にも手を出していけば良いと思います。

 

そうやって良い循環が生まれると良いですね。

長くなってしまいましたが、今後もサンプル色々書いていきたいと思います。

ありがとうございました。

教材の選び方×明確な意図

本日は、自身で購入する「教材」について触れていきたいと思います。

 

本屋さんに行ってみると分かりますが、

今の時代、本当に多くの教材が売っています。

どれを選んでいくべきなのか、迷うことと思います。

 

まず最初にやるべきは、

「自分が目指しているもの」を考えることです。

それが明確であればあるほど、効果は高まります。

これが教材選びの核でもあります。

 

例えば、お昼ご飯食べようと目標を決めたら、

「フードコート」に入ればそれなりのものがあり、蕎麦などを選んだとします。

でも初めから蕎麦だけを目指して「蕎麦屋さん」に行けばより良いものが食べれます。

それと一緒です。

「フードコート」にもちゃんとチェーン店が入っているので、

それなりに美味しいけど、どうせなら「蕎麦屋さん」でより美味しいものを食べて欲しい。

そう考えたら先生は食べログみたいなものですね笑

 

教材でも同じことが言えます。

当然先を見据えてきちんと考えれば、良い教材を選べるはずです。

それなのに

「目先の◯◯が出来ないからそのための教材を買わなきゃ…」

「やり終わってないけど次の教材もやらなきゃ…」

と慌てて購入してしまうのは勿体ないです。

 

じゃあまず何をすれば良いのか。

繰り返しになりますが、きちんと目標を「考え」ます。

 

・偏差値を上げたいのか

・行きたい学校に受かりたいのか

・塾の勉強についていきたいのか

・調べる用のテキストが欲しいのか

・日々の演習用テキストが欲しいのか

 

本当に考えるための視点も選択肢も多々あると思います。

一人で分からなかったら聞けば良いと思います。

ただ塾の先生はそれぞれの先生にこだわりもありますので、

自身の考えがブレないように気をつけたほうが良いかもしれません。

複数の先生に聞いてみても良いですが、

場合によっては、選ばれなかった先生からの評価、その後の関わり方に影響するかもなので、

上手く先生を「利用」していくことが大事だと思います。

(塾の先生もめんどくさい生き物ですね笑 人によりますが。)

 

ちなみに塾の成績を上げるだけなら、

その塾のテキストをやりこむのが一番早いです。

補助テキストはなくても大丈夫なようにカリキュラム設定されている、

ということは頭に入れた上で検討していくことが大事です。

 

脱線し過ぎてしまいました。

次は、こういう場面ならこの教材、というのをいくつかご紹介していこうと思います。

もし悩まれている場面があれば相談等もお待ちしております。

ありがとうございました。

塾選び×「異動」の概念

今日は中学受験に携わる同業者の方とお話して思ったこと。

 

会社である以上、塾にも「異動」は存在します。

六年生で受験が終わって、そのまま先生が異動していなくなる、

という状況なら、

話に行けない、制服見せに行けないといった部分はあるものの、

大きく困ることはないと思います。

 

ただ、自分に合う「良い先生」にようやく出会えて、

「1年間通って塾にも慣れて、さぁ5年生だ」

「いよいよ勝負の6年生。先生信じてやりきるぞ」

と思ったタイミングで、

その「先生」が異動になるという状況だったら、どうでしょうか。

保護者の立場からしたらたまったものじゃないですよね。

一番は生徒が可哀想…

 

でもそんなことは平気で毎年起きています。

大手はもちろん、中堅の塾でも。

これで一人一人を見ていると言えるのか…。

少なくともそれを謳い文句にはできないんじゃないかなと思います。

 

これが集団だけならまだしも、

個別指導の現場でも同じことが起きています。

社員も、毎年予定が変わる学生もいついなくなるかはわかりません。

何れにせよ、一人一人をちゃんと見て欲しい保護者からしたら、

本当に信頼できるかどうかの見極めがとても大切です。

 

一方、個人でやっている塾はその心配はないですね。

突然塾自体を閉鎖しまうことはあるかもしれませんが…

 「自分に合う先生」がそこにいるのなら、

大手というブランドよりも場合によっては良いのかもしれません。

異動という概念がないからこそ凝り固まったやり方になりがちなので、

その辺りは注意が必要かもしれませんね。

 

本当に会社の「異動」の捉え方、

またその発表の仕方によって、

塾の真価はある意味問われるのではないかと思います。

ぜひ見極めの一視点として持っていただければと思います。

 

少し短くなりましたが、本日もありがとうございました。