受験×勉強×塾

初めまして!学習塾の中で教育に携わる「現役塾講師」の一人として、受験関係の話を中心に、塾の先生としてのあり方や良い塾の選び方、また勉強の方法などを日々考えています。自分にとっての戒めにもして日々精進…!記事タイトルの「」は塾業界等、『』は塾のリアルについて書いています。

「首都圏模試と中学受験」×「模試の活用法と塾選び」×「偏差値10アップ」

早いもので新しい年度の最初の月が終了。

 

コロナ禍は続いており、

学校等はギリギリ休校になっていないものの、

去年同様、緊急事態宣言下でのGWを迎えることに。

本当にこの一年何をやっていたのだろう?

人数だけ見れば去年は100人超えて驚いていたのに、

今では100人なんて夢物語くらいの感覚になっている気がする。

こんな現状になっているのは誰かの策略なのか、

あるいは、本気でなんとかしようという感をあえて無くしているのかな?とすら思う。

 

 

そんな中で、

昨日、首都圏模試センターによる「第一回合判模試」の結果が出ました。

まずは過去三年間の人数推移から。

※なお昨年の模試は4月はなく5月のもの。

 

2科目:8992人→5277人→10034人

4科目:7886人→4704人→8782人

 

これをみる限り、去年はコロナ禍の影響をモロに受けた形になるので置いといて、

2年前よりも受験者数が増えている点に注目をしたい。

 

一つは単純に6年生で受験する人数が増えているのだと思う。

以前も書いたことがあるが、

コロナに対する各学校の対応を見て、

私立の方が柔軟かつしっかり対応出来ているのは確かだし、

大学受験システムの相次ぐ変更などを見ても、

早めに私立に入れた方が優位に働く可能性が高いと判断したのも原因と思う。

 

ちなみに昨年の首都圏の中学受験者数は2009年度に続く高水準となっており、

約20%ちょっとと言われている。

東京に関して言えば約155000人だった2020年度入試に比べ、

5500人以上増えたのが昨年の入試だった。

今年度は昨年以上に激しい戦いになるのかもしれない。

入試から逆算した指導の重要性は増すばかりだ。

 

 

もう一つは「難しい模試」よりも、

「基本的な模試」を受ける人が多くなったのかもしれないということ。

これはそのまま「志望校の変化」にも繋がる。

実際、開成や麻布で受験者数が100人以上減ったり、

中堅下位の学校で受験者数が大幅増になったり、

昨年の受験者数の動向には大きな変化が見られている。

学校に求めるものも変わりつつあるということだ。

 

その中で、

首都圏模試はSAPIX模試や日能研模試、四谷合不合といったような他の模試に比べ、

「基本的な問題」が多く出ているので、

その確認をする上でとても大事な判断基準となり得る。

つまり安全志向の人が増えてきた現状では首都圏模試は役立ちやすいと言える。

 

ただ注意して欲しいのが、

同じ偏差値帯であっても学校によって問題のレベルは違う。

だから予め自分の志望校でどういう問題が出るのか、

あるいはどういう力が求められているのか知った上で模試を選ぶことが大事である。

 

受ける学校やその子の性格によってどの模試がいいかは、

経験を積めば分かるようになる。

塾を選ぶ時には「模試」をどうやって使おうと考えているか聞くことで、

その塾が志望校から逆算して考えてくれる塾かどうか分かる。

ぜひ面談や体験授業に行った時に、

「今の進め方」ではなく「先の想定」を聞いてみて欲しい。

これは塾選びをする上で必須だと思う。

 

 

と話が逸れてしまったが、

首都圏模試の受験者数が増えてきていることは素直に喜ばしいことだと思う。

母体が多ければ多いほど、

その模試に対する信頼度は上がるからだ。

 

「塾内順位」では見えないものが見えてくるので、

ぜひ外部模試をどんどん利用すべきだと思う。

 

 

最後に自分が教えている算数。

基礎クラスで平均偏差値は58ちょっとで、偏差値65以上を出す生徒も現れた。

前回の平均偏差値が47くらいだったことを考えれば、

よく頑張ってくれたと心から思う。

ただ別に満足いくような数字ではないし、

首都圏模試なら平均偏差値を60以上にまずは持っていきたい。

 

塾の先生は満足しちゃダメだし、

模試をみて自身を振り返ることが大事だと思う。

僕ももっと頑張ろう。

ありがとうございました。

「仕方ない」×「中学受験と成績のあげ方」×「ドラゴン桜」

今日の子どもとのやり取りの中の気になった場面。

 

「何でこの問題間違えたの?」

「問題を見間違っちゃって」

「ちゃんと解く時間とってるよね?」

「仕方ないじゃん」

 

とまぁ本当によくある光景だと思う。

だけどこの言葉を見逃している塾の先生はいないだろう。

いるのならそれはすぐに自分を見直した方がいい。

 

「仕方ない」ってどういうことなのか。

何が仕方ないんだろう。

時間がなかったから「仕方ない」のか、

問題を見間違うのは誰でもすることだから「仕方ない」のか

それとも自分自身ではどうしようもないから「仕方ない」のか。

 

どういう「仕方ない」なのかは皆目見当もつかないが、

わかることが唯一つ。

「仕方ない」で済ましてはいけないということだ。

もっと正確に言えば「仕方ない」事情なんてそもそもない。

この場合、ただの言い訳なのだ。

これを曖昧に許してしまうと、子どもの成長は止まる。

 

だって自分が使う「仕方ない」という言葉は、

自身に見切りをつけて諦めている言葉だからだ。

本気で取り組んでいるなら、

悔しがって泣く方がよっぽど正しい。

大事にしたいのは「間違え」から何を学ぶかであって、

もっと前向きな発想なのだ。

その中で自身の可能性を捨てることは愚行と言える。

 

本気でやると決めた人から「仕方ない」という言葉は出てこない。

子どもの意欲が高まっているかはこういうところから判断できる。

他にも子どもの様子を把握できる言葉はたくさんある。

保護者も塾の先生も細かい言葉にもっと敏感になるべきだと思う。

それが出来ているかどうか。

そういう話や提案をしてくれるか。

これも塾選びの大切な1つの要素にはなり得ると思う。

 

 

余談にはなるが「ドラゴン桜」の2005年版の方で、

桜木先生が一度だけ「しょうがない」といった場面がある。

それは水野さん(受験生)の母親が倒れ、東大進学クラスにいられなくなった時だ。

何とかならないか、と聞いた他の生徒に対し、

「しょうがねぇだろ」と。

物理的に無理なものは無理。出来ないものは出来ない。

これが「しょうがない」ということであり、冷静に受け入れないといけない。

こういうこともある。

 

だけどその後、水野さんは東大を受けることになる。

「しょうがなかった」のは東大進学クラスの在籍についてであり、

大受験も、合格も、別の方法で目指せると言っていた。

山があれば100通りの道があると。

 

結局のところ、その後どうするかが考えることが大事。

壁に当たれば乗り越えれば良い。

そもそも本当に「しょうがない」内容は思っている以上に少ない。

 

簡単に言い訳をさせないように、

自分自身の可能性を狭めさせないように、

子どもの発言も姿勢も良い方向に変えていけるよう、

日々関わる中で、伏線をはり、仕込みをしていこうと思う。

いつか実ることを祈りつつ。

その収穫の時期を見間違えないようにしつつ。

 

明日もやれることをやり切ろう。

ありがとうございました。

「カイジ班長と頑張り」×「ドラゴン桜感想」×「塾講師」

色々バタバタしていたら、

かなり久々の投稿になってしまいました。

一度「今日は忙しいから…」というのを許してしまうと、

人間というのは甘えてしまうんだなと痛感しました。

毎日続けている人は本当にすごい。

短くてもいいから僕も見習って…と、

毎回言ってる気がするので、そろそろ行動に移したい。

早速今日から頑張ろうと思う。

 

こういう時『カイジ』という漫画の班長のセリフを思い出す。

「明日から頑張るんじゃない、今日、今日だけがんばるんだ。

 今日をがんばった者、今日をがんばり始めた者にのみ、明日はやってくるんだよ。」

本当にそう思う。

今日の頑張りが明日に続いているのであって、

明日を迎える資格があるのは、それに気付いた人だけなんだと思う。

結局のところずっと同じ日の繰り返し。

時間は進むかもしれないけれど、「明日」がきたことにはならない。

一歩一歩でも進んでいくことが必要なんだと思う。

できない言い訳はいくらでも見つかるから本当に世の中はうまくできているなぁと思う。

誘惑に負けないようにしないと。

 

 

さて。

今日から「ドラゴン桜2」が始まりましたね。

何というか前作とは違う物語を見ているみたい。

面白いとかそうじゃないとかその次元の話ではなく、

時代が大分変わったなぁという印象。

昔よりも東大「だけ」ではダメになったのかもしれない。

半沢直樹」の影響が強すぎるのかもしれないけれど。

 

それでも変わっていない部分。

「桜木先生」という人物。

桜木先生はブレない。

生徒のことをどこまでも考えている。

自分の利益のためという建前があるかもしれないが、よく観察している。

弱い者の味方にもなるが、決して答えは教えてくれない。

自分の魅せ方も人の惹きつけ方も知っている。

 

この辺りは自身にも取り入れるべき点だと強く思う。

「筋をしっかり通した上で、答えを自分で見つけさせていく」

文字で書いてみれば簡単だが、

実際にやってみると本当に難しい。

困っている子どもに答えを教えずにいるのは心苦しい。

答えを教えた方がよっぽど楽。

だけどそれは優しさじゃなく自己満足。

改めて自分の接し方を考えとないといけない。

 

あとは高原先生が渋々だけどリスクを負った部分を少し考えたい。

これは個人的には子どもの前では絶対にやってはいけない行動だと思う。

リスクを負うなら潔く。

そうじゃないと伝わらないものがあると思うからだ。

例えばだけど

「受かると思う…?」と言われたときに

「大丈夫!」と即答する先生と

「…まぁ受かるかはわからないけど、できる限り頑張ろう!」という先生。

どっちについていきたいと思うだろうか。

状況によるのは間違い無い。

それでも後者の先生に不安を覚えるのは間違いない。

「覚悟の差」はその時には小さくとも、大事な場面でずっと付き纏う。

だから塾の先生は「リスク」を負うべきだと思うし、

そういう先生が増えるべきと思う。

 

 

ただ考えすぎてもうまくいかない。

だからこそ「考えずに動け」だけど「世の中なめんな」と。

色々なことを思わされる第1話でした。

 

思ったことを形にして頑張ろう。

ありがとうございました。

「1周年感謝」×「中学受験」×「志望校をいつまでに決めるか」

中々記事の更新が出来ず、気がついたら10日。

そんな中で、このブログを書き始めてからちょうど1年。

前回の記事でも書かせて頂いた通り、読んでくださっている皆様の力が大きいです。

本当にありがとうございます。

 

ただ、書いてきた記事の数が131。

最近の更新頻度の少なさが如実に表れる結果に。

 

もっと誰かにとって参考になる話を書いたり、

塾講師が見る「日常」の部分も含めて気軽に書いたりしながら、

前年より多い記事数を目指すことを改めて目標にしたいと思います。

よろしくお願い致します。

 

 

さて、この「目標設定」

受験生にとって、必要不可欠なものです。

大きな目標は第一志望合格。

これは受験生にとっては当たり前だと思う。

だけど漠然としすぎていても難しい。

 

実際「中学受験では、いつまでに志望校を決めるべきか」

という話を保護者の方からもよく伺う。

僕自身はいつも「6年生の夏前まで」というようにしている。

本当は出来る限り早いほうがモチベーションが上がるので良いと思う。

特に偏差値が自分よりも高いところを目標にしていれば、

自然とその学校に向けて頑張ろうとして成績が上がるケースが多い。

もちろん最後まで悩み抜くのが悪いとも思わない。

今年の受験生で特に多かったように、

ギリギリになってようやく志望校を決めるパターンで上手くいくこともある。

 

だけど敢えて「6年生の夏前まで」と言っているのは、

夏休みを有効に使うためだ。

どの学校を目指すかによって必要な勉強量も内容も違う。

解き方も変える必要があるかもしれない。

だから「一斉の授業」や「均一の課題」だけでやっていても合格には近づけない。

大手ならクラスごとにある程度の課題は決まっているが、

正直その区分けでも物足りないと思う。

開成と麻布の問題を見ればわかる通り、求められている力が違うのだから、

個々人の目指す学校によって本来はやる内容を変える方が可能性は高まる。

これは合理的な考えだと思う。

 

もちろん基礎となる部分で必要な内容は変わらない。

だからテキストが存在するし、

クラスでの一斉授業が無意味になることは絶対ない。

それでも、

夏から「自分の志望校への対策」を夏からした生徒と

夏の間は「満遍なく」勉強をした生徒。

特定の学校に受かるのなら前者の方が可能性は高くなるし、

何より夏期講習という長い期間を「自分のために」頑張れるのは大きい。

そういう意味でも夏前に志望校を決めて欲しい。

 

僕は、その人の特徴と行きたい学校によって出す「夏の課題」を変えている。

何故この課題が必要なのかも話す。

保護者の目の前で三者面談をして、

ちゃんとやり切ると本人の口から宣言もさせるようにする。

そうすることで「自覚」が生まれ、頑張れる。

課題の量はギリギリ終わるような量を出す。

これは、頑張って「やり切った感」と「自信」を持たせるため。

塾の先生側はどれだけ布石を用意しておけるかが大事。

 

そうすると9月以降に過去問を始めやすいし、

クラスの雰囲気も上がり、2月の受験に向けた良いスタートも出来る。

 

ただ、仮に目指す学校に対して絶対的な能力を持っていれば、

「可能性が上がる」とか「傾向を掴む」とか、そういう次元の話ではなくなる。

そのレベルにある生徒なら、

夏休みに別個の課題は必要ない。

一番わかりやすい例で言えば、最上位の生徒は、

問題の傾向とかを気にせずとにかく色んな問題に触れれば良い。

難関中学校の過去問を夏中に一通り解いていく。

これだけで十分「考える力」や応用力の育成になる。

こんなの個人単位でなくてクラス単位で十分な話だ。

 

 

そうやって自分の「志望校」とそこまでの「距離」を測った上で、

夏休みを迎えられるかどうかが入試合格への大きな鍵となる。

 

先に述べた通り、「目標設定」が必要不可欠。

夏休みの目標が「志望校への対策と第一歩」なら、

夏休みまでの目標は「志望校の設定と学習習慣」になる。

まずは学校をいろいろ見るべき。

併せて日々の勉強と毎月(毎週)のテストをしっかりこなすべき。

 

1つ1つ自分で考えて、

1年後に「笑って」いられるようにして欲しい。

 

明日も頑張ろう。

ありがとうございました。

「成績を伸ばす塾」×「体験授業と見る視点」×「塾選びと感謝」

本日はお礼から。

2記事くらい前の話ですが、お陰様で区切りの60000PVを達成。

更新が中々出来ていなかった中なので感謝しかない。

本当に「誰かに見てもらえている」というのは、

とても勇気をもらえるし、モチベーションにもなるのだと実感する。

 

これは子どもが相手でも一緒で、

「自分」のことをしっかり見てくれているかどうかで、

やる気は大きく上下するし、成績や伸び具合にも大きく関わる。

しかも大人に比べて子どもはその感性がとても敏感。

自分に対して好意的に見ているかどうか、

ちゃんと自分を見てくれているか、

そういったことに大人以上に気付く。

だからこそ、自分の好きな先生が出来ると成績が突然伸びる事もあるし、

逆に嫌いな先生の科目はそのまま苦手になってしまう事も多い。

 

「認められたいから」

という単純な理由が、受験においては、大きな武器になり得るのだ。

 

塾の先生側は、ここを引き出さないといけない。

「学校の先生」とは違った側面を見ることができるはずなのだから。

授業の巧さ、知識量、寄り添い方、褒め方、叱り方・・・

いくらでも子どもからの信頼を得るために出来る手段やすべき行動がある。

その1つ1つを見て「自分を見てくれているか」判断している。

全部の能力に秀でている必要はないけれど、

自身の武器や得意分野をきちんと理解し常に磨いていくことが、

塾の先生にとっては必要不可欠だと思う。

 

 

大手塾では「方法」や「カリキュラム」等が確立されている分、

個人の能力をカバーしてくれるものがたくさんある。

だから先生が1人1人を見ることにそこまで執着はしていないと思う。

個性の重視に重きをおかず、

モチベーション管理や勉強の管理を自分で出来るのなら、

おそらく大手の方が合っているということだろう。

 

一方で中堅・個人塾ではそのカバーは難しい。

だから「1人1人を大切にしてくれるかどうか」というこの1点が、

きちんと出来ているかどうかを振り返ってみることが大切。

逆に塾選びをする側からすれば、

資料請求や体験授業に行った際に、どこまで自分に寄り添って話しているか、

先生が自分のことを見てくれているかを確認することが大事と言える。

授業後に様子を見に行った際に既に通っている他の子どもが、

先生に対してどう接しているかも合わせて見るとより良いかもしれない。

 

体験授業が終わった時に、

「楽しかった?」

と聞けば、子どもは、

「楽しかった」と答えることが多いと思う。

あとは「わかりやすかった」とか「難しかったけど頑張った」とか。

塾側だって体験生がいる時にはいつも以上に盛り上げようとするし、

塾によっては「体験授業用」の授業や先生が用意されていることもある。

個別だったらその時だけ「評判の良い先生」を当てる事もある。

生徒には入ってほしいのだから、

「つまらない」だけの授業をするわけはないのだ。

 

だからそれだけじゃなくて一言、

「先生がどれだけ(自分のことを)見てくれてた?」

と聞いてみると良いかもしれない。

ちょっと違った角度から質問すると塾の違いも見えてくる。

 

あるいは塾からの報告があった際に、

どの塾も授業での様子や出来不出来を話してくれると思う。

その際に自分の子どもの特徴をどこまで話してくれるか、

あるいは聞いてみて何と答えるか試してみるとより塾の違いがわかる。

「営業」が先に来るのなら、当たり障りのない内容になるし、

「子ども」が先に来るのなら、雑談や提案のような内容になる。

一般的な内容とは違ったことを聞いてみると前者の塾かどうかを判断できる。

 

1人1人の個性を大事にするからこそ、

中堅・個人塾で自分に合う塾に出会えれば、

大手塾に行くよりもずっと大きな成果を出すことはあり得る。 

だから大手塾でない塾選びをする場合には、

こういった視点が1つの参考になればと思う。

 

 

ちなみに僕自身、体験生がいる時は何回やっても緊張する。

どんな子かも分からないし、

今まで習っていない部分もあるかもしれないし、

どのくらい出来るかも、何の話が上手く響くかも分からない。

普段のクラスの雰囲気も維持しながら、満足してもらうにはどうするか。

毎回そんなことを考えて授業に臨む。

どの先生もある程度はそうだと思うけども。

 

現状、入塾率を見る限り、普段の立ち振る舞いは大きくずれてはいない。

だけど油断をしてはいけないし、

常により良いものを探すようにしている。

「第一印象」を良く見せるにはどうするか。

結局のところ普段の他の生徒や保護者との関わりが良ければ、

自然と「第一印象」の良さに繋がっていくのではないかと最近は思う。

 

だから日々の1つ1つを頑張ろう。

ありがとうございました。

 

 

以下、PV数の軌跡です。

もっとたくさん書けるようにしていきたい…。

3月:18記事 4月:4記事  5月:2記事 6月:6記事

7月:15記事 8月:20記事 9月:17記事 10月:13記事

11月:11記事 12月:14記事 1月:9記事 2月:2記事

10000PV:8/27(62記事)  20000PV:10/5(82記事) 30000PV:11/10(99記事)

40000PV:12/13(111記事)  50000PV:1/20(125記事) 60000PV:2/20(131記事)

「塾の合格実績の罠」×「正しい見方と広告の見せ方」×「塾選びと自分ごと」

「数字」を正しく見るというのはとても難しい。

 

受験合格実績が出る時期によく言われることの1つに、

「各塾の合格者数を足しても、学校側の合格者数と合わない」

という話がある。

単純な話で、いくつかの塾に所属していた場合、

どちらの合格実績としてもカウントされているために起きる現象。

ずっと個別を併用していた、というような例ならまだ分かる気もするが、

早稲アカのNN特訓のような学校別対策形に参加していたとか、

ひどい場合には籍だけ置いている状態ということもあるらしい。

いわゆる「水増し」問題である。

少し前には臨海セミナーとSTEPの件でも出てきた問題は、

一般的に起こっているということが窺い知れる。

 

 

さらに各塾とも「見せ方」を工夫する。

大手塾では塾全体の学校名と人数をひたすら列挙することが多い。

つまりは「各校舎」での実績は明示されない。

人数がとても多く見える一方で、

塾全体での実績が良かったとしても、自分が通う校舎がどうかは分からない。

また中堅塾では、

良かった年や校舎は校舎ごとに出しておいて、

そうでない年や校舎は地域でまとめて出したり、数年分をまとめて出したりする。

いずれも「安心感」や実績の凄さを演出するためだ。

個人的には毎年出し方が変わる塾は信用しにくいと思う。

良かった実績の年は見せびらかし、

実績が悪かったらそれを「隠す」ような塾なのだから、

子どもがやっていることと変わらない。

結局目の前の子どもよりも「自分達」が可愛いのかなと思ってしまう。

良くても悪くても、きちんと受け止める塾の方が本気度は高い気がする。

 

個人塾については、少し扱いが難しい。

人数が多くない場合、個人の特定回避のために全ての実績を出せない場合がある。

何年も続いていれば数年分として出せるかもしれないが、

初期段階ではなかなか出しづらい部分もあると思う。

大体トップの子がどのくらいなのかさえわかれば、

指導力」や「授業力」は足りている証明にはなるから、

あとは実際に雰囲気を見にいくのがいいのかなと思う。

 

もう一つ見せ方で、

「昨年と比べて◯%増加」とか「定期テストで◯点増加」とか、

そういう数字の変化を見せる塾もある。

棒グラフを使っていかにも差があるような感じにしておいて、

実際は5名→6名だったりとかそういう場合もある。

あるいは学校のまとめ方を変えてうまく見せることもある。

 

 

こう考えていくと、本当に「広告」から判断するのは難しい。

基本的に自分たちが不利になるような、マイナスの情報は書かない。

偏差値の高い学校に受からなければ、

「第一志望合格率◯%」といって別の言葉に変える事もできる。

塾業界が「教育業」ではない所以はこの辺りにもあるんだろうなぁと思う。

なんというか誠実さが足りない。

まぁ営利企業だから仕方ないのは重々承知しているが。

それでも「やったもんがち」みたいな部分はどうしてもあるから、

たとえどんなに良い先生がいる塾であったとしても、

その塾が流行るかどうかはまた別の話になってしまう。

世知辛い話だと思う。

 

 

さて。

実績という「広告」に惑わされないようにするためにはどうするか。

あくまで数字は「数字」であり、それ以上の価値はない。

もちろん、カリキュラムが揃っているかどうか、

合格のために必要なことがきちんとわかっているかどうか、は分かる。

所謂「情報面」での安心感が強まると言えるだろう。

 

だけど、これから通う子どもにとっては何の関係もない。

その方針が合うのか。

本当にその学校に行きたいのか。行くべきなのか。

ちゃんとついていけるのか。覚悟はあるのか。

ゆっくり考えたいのか。どんどん進んで欲しいのか。

無理してないか。余裕があるのか。

・・・

本当に大事なのは「名前」や「看板」ではなく「中身」じゃないのかと思う。

超有名な高級店の料理よりもカップラーメンのが落ち着くことだってある。

「偉い先生」の一言より「信頼している先生」の一言の方が心に響く事もある。

「合格実績」という看板の下で苦しく勉強するよりも、

「その子にあった指導」をしてくれる場所でのびのび勉強をした方がいい。

無理してその塾にいても全員が受かるわけではないのだから。

 

そうやって自分の受験を「自分ごと」にして良く考えること。

これが広告に惑わされないためには必要だと思う。

もちろん、最初の入り口として「合格実績」の看板を見て話を聞くのも良いと思う。

単純な今年の「数字」ではなく、

数年間の見せ方も含めて検討をしていくことが必要だと思う。

色々な面から検討して、良い塾選びが出来ればいいし、

塾側は選んでもらえるよう「子どものために」努力をし、

そういう先生が認められるようになれば良いなと思う。

 

僕も頑張ろう。

ありがとうございました。

「中学受験実績と塾選び」×「SAPIXとエルカミノ」×「先入観と提案」

「新しい学年」が始まってから2週間目。

宿題の提出やら小テストやらが始まり、

少しずつ「新しい学年」でのペースや雰囲気が出来上がってくる。

先生側からすると1回目の授業では掴みきれなかった、

それぞれの生徒の様子が見えてくる。

 

授業中に積極的に発言をするタイプ、

黙々と授業を聞いてノートを書くタイプ、

授業と関係ない話をして輪をかき乱すタイプ、

言いたいことがあるけど言えずに溜め込んでしまうタイプ

・・・

 

と挙げていけばキリがない。

個人的には、どのタイプだから悪いとかそういうことではなく、

その生徒の個性を生かしていく方が良いと思っている。

例えば溜め込んでしまうタイプは、自分から話せるようになるまで声をかけたらいい。

そういう子は、自信を手にした時、突如化けたりする。

授業と関係のない話をするタイプは、

「自分に興味のあること」には滅法強いか、周りを信用してないかの可能性が高い。

どちらにしても、自分が「理解者」にさえなれれば輝き得る。

誰もが磨けばいくらでも光る原石というわけだ。

ただまぁ大人数になればなるほど、

個性は無視され「システム」による管理になるのも間違いない。

それがいいのかどうかは人次第だから、どっちが合うかは両方見て決めれば良い。

 

 

ただ1つ気にした方が良いことは、

先生に「先入観」が一度ついてしまうと、

中々そのイメージを払拭するのは難しい、ということ。

最初の数回の授業で生徒ごとの何となくの立ち位置が先生の中で決まる。

「この子はできる・楽しみ」とか。

「この子は厳しい・面倒だ」とか。

意識下なのか無意識下なのかは別にして。

 

 

「時間」は有限のものであり、先生の手も限られている。

少し冷たい話になるかもしれないが、

現実問題として「見ることが出来る範囲」はどうしても限られてしまうし、

先生も人間だから「頑張る生徒」の方を優先してしまう。

 

だからこそ、

この最初の数週間での「自分の見せ方」というか「姿勢」がとても大事だと思う。

自分から質問をしにいくとか

授業中の座り方を良くしてみるとか

先生に視線を向けるよう意識するとか

本当にそんな些細なことで良いと僕は思う。

そういう「積み重ね」は先生に届くし、いつか大きな財産になる。

これが子どもに持っておいて欲しい視点。

小学生が自分から気付くのは難しいから先生や保護者は一度話すべき内容だと思う。

塾選びにおいて、大手でない塾なら、

子どもの「意識改革」が出来るかどうかは大きな分かれ目だと思う。

 

 

そう言えば今年の各塾の合格実績が大分固まってくる中で、

最難関中学におけるSAPIXの圧倒的な人数は流石。

開成合格者の67.3%、麻布合格者の54.9%、筑駒合格者の65.6%

桜蔭合格者の56.5%、JG合格者の52.6%、豊島岡合格者の52.3%

といった形で、早稲アカや日能研四谷大塚といった塾とは一線を画している。

 

もちろん学校によっては他の塾の方が上の学校もあるし、

SAPIX自体の人数が多いことも関係しているとは思う。

それでもコロナ禍対応であれだけ批判を浴びたSAPIXだったが、

例年通り「圧倒的」な人数である。

SAPIXに通わせたい」という保護者が多いのも納得がいく。

それだけで1つのステータスになる。

ただ中堅の学校に目をやると、

SAPIXの合格者の数はそこまで多くない。

中堅以下の学校レベルだと対策に大きな時間を割いてもらえないかもしれないし、

そもそも「受けない」のかもしれないし、

受験日程をしっかり考えるのはあまり強くないのかもしれない。

ある程度より上のクラスにいられるのであれば、

SAPIXにいることは合理性もある。

 

一方で「行きたい学校」がきちんと決まっている場合だと、

個人塾・小規模な塾が選択肢として強い気がする。

代表格は「エルカミノ」だ。

今年の男子81名で開成13名・麻布5名・筑駒11名・灘7名、

女子17名で桜蔭3名・JG1名・豊島岡2名

他にも実績は多数あるが、ここだけでも十分すぎる結果。

合格率であればSAPIXよりもずっと上だと思う。

 

最難関レベルも「大手塾」でなくとも大丈夫ということ。

そして「学校ごとの」きちんと対策ができる塾はたくさんある。

だから「行きたい学校」があるのなら個人塾・小規模な塾をお勧めする。

個人的には、

中規模の塾で中学受験も高校受験も大学受験も手を出している塾が

一番警戒しないといけない気がする。

特に去年と実績が大きく違っていたり、

例年校舎ごとの実績を出すのに急にまとめていたりする塾は考えた方が良いと思う。

この辺りも塾選びの参考の1つになれば良いなと思う。

 

 

長くなってしまいましたが、

2・3月は学年も切り替わり「塾選び」の時期の1つだと思う。

今通っている塾を信じられるのか。

「何となく」通っているだけになっていないか。

学年が変わって提案がしっかりあるか。

いろんなことを加味して、良い出会いがあることを祈るばかり。

 

僕もしっかり選ばれるように頑張りたい。

ありがとうございました。