受験×勉強×塾

初めまして!学習塾の中で教育に携わる「現役塾講師」の一人として、受験関係の話を中心に、塾の先生としてのあり方や良い塾の選び方、また勉強の方法などを日々考えています。自分にとっての戒めにもして日々精進…!記事タイトルの「」は塾業界等、『』は塾のリアルについて書いています。

「鉄緑会のテスト」×「2つの疑問」×「塾の使い方」

今週末に鉄緑会の構内模試がある。

先日、中1のテキストや過去のテストを見る機会があったのだけど、

よく言われている通り、夏の時点でかなりの進み具合。

数学は連立は解けて当たり前だし、証明の仕方も分かって当然。

英語は時制だったり疑問詞だったりの基本文に加え、「比較」の単元までやっている。

 

1回1回が多くは見えないが、毎回何事もなく進んでいく感じ。

復習や予習は各自がして当たり前という意識なのだと思う。

学校生活との両立を考えたら時間的にはかなりしんどそう…。

少なくとも中学受験がゴールだと思って頑張ってきた勢にはとても無理。

だからこそ指定校が存在していて、レベルの高い生徒しか集めてないのだと思う。

 

そんな子たちでも鉄緑会用のフォローが必要になりかねない。

中学生のうちに高校数学の基本まで、英語も高校内容までやるのだから、

ずっと早いペースで進んでいくことになる。

時間をうまく使えればいいのだけど、プレッシャーに潰されなければ良いなと思う。

 

大きな疑問が2つ。

1つ目。

そこまで早いペースで進んでいくことは必要なのか。

勿論、早く終わった分、高校生になってからの演習時間の確保や余裕が生まれ、

受験勉強以上のことが出来るとは思う。

だけど出口の成績はと聞かれれば、全員が東大や医学部等にいくわけではない。

所謂「エリート」がそれだけやっているのに。

後からやり出した、他の塾からの合格者の方がずっと多い。

勿論、通える人数に制限もあるから当たり前なのだけど。

それでも、

ペースを無理矢理上げることに大きな意味はないのかな、と思う部分もある。

そもそも「受験合格」を目標においているかどうかは疑問だけど。

 

2つ目。

教えているのは「鉄緑出身の東大生」がメインであること。

伝統はつながるし、頭のキレもいいのはわかる。

だけど統一した教え方になるわけでもないし、

東大に合格して授業をしているバイトの先生も「満点合格」であるはずがない。

教科内での単元同士の繋がりや勉強法、やる気の出し方等に精通しているわけでもない。

クラスや先生によって上手・下手はどうしても存在する。

受験の「プロ」ではないのだ。

しかも中1からお世話になったとして6年間その先生がいるかはわからない。

学校生活や研究、就活などで抜けるかもしれない。

頭が良くても、「責任」を負うことは難しい。

 

 

…とまぁ鉄緑会の話を聞いて感じた疑問ではあるが、

実際に通ってみて、それがステータスとなったり、

学校ではやらない難しいこともやれる楽しさがあったり、

オリジナルテキストの良さだったり、

「通うのが当然」と思わせる力強さだったり、

良い部分がたくさんあるのはわかっている。

 

結局のところ、

鉄緑会」にいたから頭が良くなるのではなく、

鉄緑会」を上手く使えた人が頭が良くなるのだと思う。

 

これはどこの塾も一緒。

大手の看板だから安心なわけでもないし、

個人でやっているから不安なわけでもない。

自分自身がどうするか常に考えることが必要なのだと思う。

合わないと思ったら、無理せず言った方が良い。

迷わず転塾した方が良い結果を生む。

「大手の塾に通っているから安心」という時代でもない。

名前で塾を決めても仕方ないのかなと思う。

もっと自由に、上手く塾を使いこなして欲しいなと思うし、

塾側としては、より良い物を提供できるよう日々精進していくことが大切。

 

明日も頑張ろう。

ありがとうございました。