受験×勉強×塾

初めまして!学習塾の中で教育に携わる「現役塾講師」の一人として、受験関係の話を中心に、塾の先生としてのあり方や良い塾の選び方、また勉強の方法などを日々考えています。自分にとっての戒めにもして日々精進…!記事タイトルの「」は塾業界等、『』は塾のリアルについて書いています。

「塾と年賀状離れ」×「手書きの力と個の大切さ」×「塾選びとめんどうみ」

コロナに振り回された一年も、なんだかんだ年末。

「このまま感染が増えるなら、緊急事態宣言も視野に」

という話も出てきました。

まぁ自分たちの利益を追い求めてGoToをなかなかやめなかった時点で、

見えてた未来ではあると思うのだけど。

結局のところ真面目に感染対策をしながら忍んでいる人が一番損をする。

何だかいたたまれない世の中だと思う。

 

さて。

先日子どもから聞かれた一言。

 

「塾って年賀状くれないよね?」

 

休み時間にちょっと甘えたそうな感じで話してきた。

僕自身が子どもの時には、

塾から迷路付きの年賀状が毎年来ていて楽しかった覚えがある。

別に何か特別なことが書いているわけでもないが、

なんとなく嬉しい。

今の時代はスマホを持ってる小中学生も増え、

もはや紙媒体の年賀状自体が必要なのかどうかも怪しい気もしていたけど、

どうやら昔持っていた気持ちと同じものを

今の子ども達も持っている部分があるのかなと感じた。

コロナの影響もあってか、

改めて「お互いの絆」の大事さを見直しているのかもしれない。

何というか、少しほっこりした。

 

個人的にだけど。

年賀状でもう一つ意識した方が良いのが、

「手書きの一言を添えること」じゃないかなと思う。

人数が多い大手塾だったら難しいかもしれない。

少し寂しいけど1人1人を大切に見ることを大事にしているわけはないから、

会社の方針や判断としては間違ってない。

だけど中小の塾だったら、きちんと手書きをした方が良いと思う。

その年賀状を見たときの子どもの反応を見て、

照れているような、嬉しそうな表情を見て、

「この塾で良かった」と思えたら、新年から素敵なことだと思う。

営利目的がメインだったら書いてある文章も定型文ばかりだし、

子どもも特に反応せずに終わる。

意外なところだけど、塾選びをする際の一つのきっかけになるかもしれない。

保護者が見ることも想定した文章になっているかで、

一般的な常識を持っているかどうかもわかるので、良い試金石だと思う。

 

 

その延長線上にある話で、

自分(達)のために毎回プリントを用意してくれる塾に対して、

何となく安心感が持ってもらえることが多い。

当然といえば当然の話。

個別指導なら「その子に合わせたプリント」は作りやすい。

一方で集団授業をやっている中で「その子に合わせたプリント」を作るのは難しい。

まず集団授業をしながらそれぞれの得手不得手を把握するのが出来る先生は少ない。

テストの点数はもちろん、

解いている時のペースや宿題、表情なんかを見ていればある程度は分かる。

だけど実際問題、そんな視野を持っている先生は少ないし、

集団授業で絶対にやるべきことではないから優先度を低く見積もる先生も多い。

そして何より塾の先生の仕事量を考えた時にとても厳しい。

生徒対応以外にもやることがたくさんある。

その中で授業準備にたくさん時間をかけさせてくれる塾は…少ない。

だって直接の利益になりにくいから。

 

だから現実として大手に行けば行くほど、

課題を出すにしても、ある程度点数ごとに出すとかが限界かなと思う。

だけど中位生以下だと「やらされている感」だけが強くなり、オーバーワークになりがち。

事務的に、機械的に出された課題であって、

「自分のため」に先生が考えていないのならやる気も起きないということだ。

この「やらされている感」でいる限り成績は伸びない。

だからこそ、集団授業なのにも関わらず、

「自分のためのプリント」を用意してくれる塾に出会えたら、

大切にした方が良いと思う。

 

その際のプリントが「手書き」が良いのか、「パソコン」が良いのか、

ここも迷いどころ。

「パソコン」だと字も綺麗だし、

図も含めて見やすいものが作りやすいと思う。

だけど「手書き」にすると、子どもとの距離が少し縮まる気が個人的にはする。

何というか一緒に頑張っている感。

「上から目線」ではなく、

「先生だから偉い」とかではなく、

横に立って一緒に歩んでいく存在に一歩近づける気がする。

そうやって「寄り添う」存在として塾の先生がいたら良いのかなと思う。

 

もちろん子どもの性格にもよるし、

どんどん引っ張っていってくれる方が良い場合もあると思う。

どれが正しいとかではなく、

ただ何かを変えたいと思うなら、年賀状も含めて、

「手書き」の価値を改めて考えても良いのかなと思った。

 

「一人ひとり」を大切にするために頑張ろう。

ありがとうございました。